ジブセイルゲームス

ジブセイルゲームズはウォーゲームを扱う同人レーベルです。「椅子多め」の試遊卓併設ブースでお待ちしています。【2020秋ラインアップ】【新作】「Operations Research for COVID-19~図上演習 新型コロナウイルス~」感染対策本部幹事として「感染による死」「経済による死」の最小化を目指すソロ用Operations Research! 【2020春ラインアップ】「遠すぎた東大─神田解放区闘争-」東大安田講堂事件が起きたその日、神田地区を不法占拠し東大本郷キャンパスを目指して進撃する過激派とそれを阻止して神田解放区の奪還を目指す機動隊との戦いを机上に再現するボードウォーゲーム!

新作「満佐須計」のゲームデザインで最も注意した「色」とは
2017/11/27 8:00
ブログ

前回、概要を紹介しました新作カードゲーム「満佐須計」(まさすけ)ですが、平安時代の“ファッションカラーコーディネート”がテーマだけあって、ゲームデザインにおいては「色」の検討に注意を払いました。

[caption id="attachment_74355" align="aligncenter" width="300"] 今回一番お世話になったカラーチャート「和色大辞典」[/caption]

平安時代におけるカラーコーディネートの「作法」を現代に伝える文献「満佐須計装束抄」には、四季や祝いの日に合わせたカラーコーディネートの名称「襲色目」(かさねいろめ)と、それぞれの色組み合わせを記していますが、そこに書かれている「色」と現代の「色」は必ずしも一致しません。典型的なのが「青」です。目の覚めるような青空や海の色を表現する現代と違って、平安時代の青は、雨の日の苔生した石碑のような「黒く青みがかった緑」であったといいます。

 

満佐須計では、満佐須計装束抄に関する解説をWeb「綺陽装束研究所」で公開している八條忠基氏の考察を参照に、DICが定めているカラーカタログ「和の伝統色」から平安時代の装束に用いていた色に「印象」が近い番号を選択し、1つの色で設けている「より淡い」「淡い」「通常」「濃い」といった4段階の「濃さ」に合わせて、Webサービス「和色大辞典」で明度(主に濃い色を作る場合)または彩度(主に淡い色を作る場合)を1~2段階シフトして印刷で色を指定する「シアン」「マゼンダ」「イエロー」「ブラック」(これらをまとめて「CMYK」と呼びます)の値を決めています。

「青」についても多くの研究者の解釈に従い、DICの青ではなく、より緑に近い和色大辞典にある「淡青」をベースに明度を暗くして「青」「濃青」を設定しています。

以上のような検討を重ねて印刷で色を指定する「CMYK」を決定した「満佐須計」で、平安時代のカラーコーディネートを机上で再現し、その雅な色彩を愛でていただけたら幸いです。