按理具庵

フェスカでエスタ12R

¥1,000

ゲーム概要

  • フェスカは陰陽五行説をモチーフに創作したトランプのようなプレイングカードです。
  • 既存の多種多様なトランプゲームを基に新たなゲームを創作して遊びます。
  • エスタ12Rは大富豪(大貧民)を基にした創作サンプルゲームです。
プレイ人数 3〜9人 プレイ時間5〜15分
対象年齢10歳〜 価格1,000円
発売時期2017秋 予約 不可
ゲームデザインフェスカ・つじむら(つじむら・せんじゅうろう改め) イラスト・DTP

ゲーム詳細

■概要
エスタ12Rは正式名「エスタブリッシュメント 1,2レボリューション」の略称で、陰陽五行プレイングカード FESCA(フェスカ)の創作サンプルゲームです。

地方によって呼び名も異なりローカルルールも満載の大富豪(大貧民)ですが、基本ルール以外の要素をきれいさっぱり捨て去って、そこにフェスカ独自の要素を追加して、新たなゲームとして名前も一緒に変えました。
2が最強という大富豪(大貧民)の特殊性と、なぜか1に相当するA(エース)が強いというトランプの特殊なランク順も捨て去って、フェスカのエスタでは数の大きさをそのまま強さにしています。このようにゲームの基本要素を抽出して単純化することを「純化」と呼び、ゲーム創作の一つの手法です。

ゲームの基本ルールは大富豪(大貧民)と同じです。早く手札を無くした人が勝ち抜けていきます。
平民階級を設けると5人以上で遊ぶことになるのですが、トランプの53枚では一人当たりの枚数が少なくて、2枚組,3枚組などの役ができにくくなってしまいます。トランプ2組(106枚)を使うと逆に多すぎるし、同一カード役の扱いにも困ります。フェスカは78枚ですので6~8人で遊ぶには最適です。少人数で遊ぶ場合は、上位ランクのカードをまとめて抜いて、最適な枚数に調整することも可能です。

大富豪(大貧民)を基に創作したゲーム類を「エスタブリッシュメント(既存体制、支配階級)」、略称で「エスタ」と呼ぶことにします。「1,2レボリューション」略称「12R」はそのエスタ系ゲームの一つになります。

■ルールの要約
基本ルール(ゲームの進行など)は大富豪(大貧民)と同じです。
ランクは数字の大きさがそのまま強さです。(1が最弱、12が最強)
基ゲームのアレンジルールやローカルルールは適用しません。
「8切り」ありません。
「革命」ありません。
「11バック」、「スート縛り」その他、有名無名を問わず雑多な
ルールは一切適用いたしません。しません。
フェスカ要素を用いた以下のルールを適用します。
12Rの独自ルールとして
1,2革命
2枚組(ダブル)の相縛
エスタの共通ルールとして
カード枚数の均等配りと山札
強カードと役での上がり禁止

■詳細なルール説明
◇1,2革命
エスタ12Rの名前の基でもある特徴的なルールで、「ゼロの変革者(太極カード)」が場に出ると、低ランクの1と2が最高ランクの12より強いカードになる、というものです。これはランク順が全て逆転する大富豪(大貧民)の「革命」とは異なりますので注意してください。
「ゼロの変革者」は、その名の通りランク0なので最初にしか出せません。したがって、ゼロの変革者と1,2を多数枚抱えている大貧民が虎視眈々と「1,2革命」を企てていても、大富豪はそれを力で制圧して早抜けすることもできるのです。
「1,2革命」は、ほぼ毎回発生するので、最低ランクの1と2をどう扱うか、戦略的な思考が重要になります。また誰が太極カードを持っているかを推理したり、持っていないフリして騙したりと心理戦も楽しめます。



◇2枚組(ダブル)の相縛り
スートが6つに増えた分、2枚組ができ易くなっているため、その約半分のスートの組み合わせに使用制限を掛けるというルールです。場の相状態で相生・相克のスート関係の有効性が変化します。陰陽カードを単独で出した場合にのみ場の相状態は変化しますので、陰陽カードをスートワイルドとして使うか、それとも相状態を変えるために単独出しするか、これも戦略上の悩みどころです。



◇カード枚数の均等配りと山札
麻雀における王牌みたいなものです。人数が5人または7人の場合は8枚を残して70枚を均等に配ります。
人数がその他の場合は6枚を残して72枚を均等に配ります。
残り札は山札として終盤戦に使います。最初に誰か上がった後から、親権を得た人は山札から1枚引いて手札に加えることができるようになります。(不要なら取らなくてもよい)
手札に新たなカードが加わることで、最後に逆転の可能性が生まれます。

◇強カードと役での上がり禁止
大富豪(大貧民)にも2やジョーカーでの上がりを禁止するルールがありますが、それと同じ考えです。
エスタの場合は、上位2ランクを強カード(通常は11と12)と定義して、このカードで上がることを禁止とします。
さらに2枚組以上の役での上がりも禁止とします。
戦略的思考性を高める制約ルールであり、失敗すると大転落の可能性があります。
※エスタ12Rでは、強カードは1,2革命により変化します。

■補足
◇名前の由来とこだわり
基ゲームを「大富豪」と呼ぶか「大貧民」と呼ぶかの論争もあり、併記にこだわっています。
私の地元では大貧民でした。ネット上では大富豪が大勢を占めていますね。
通常ゲームと異なり2が最強という独特のルールがあることから、元々の名前は「大貧民」であったのだろうと思います。
その後「大貧民」が差別語ではないかとの指摘に対する自主規制(自粛、萎縮)から、徐々に「大富豪」と呼ぶようになってきたのだと推測します。このような問題を抱えたままの名前はあまり使いたくはありません。
そこで、初期カード交換を行うことで階級が固定化するという格差階級社会の不条理を「エスタブリッシュメント」という名前で表現してみました。このように抽象的な概念を外来語とその省略で表してしまうのは日本語の優れた特徴です。
この「エスタ」の名前と「12R」のルールがトランプの大富豪(大貧民)へもフィードバックされて普及すると嬉しいです。

◇もう一つのエスタ
エスタにはもう一つ別に「エスタAP」があります。
最初に創作したのは、このAPでしたが、やや上級者向けというかフェスカ色が強すぎて、あまり評判がよくありませんでした。APはアスペクト・ペアの略で、フェスカならではの新たな役組です。
革命的なルールはありませんが、空無カードにZAT(zero after thirteen)が適用され「弱い切り札」になります。
12Rと比べると、APの方がもっと戦略思考的なので、好きな人は好きかもしれません。追って紹介したいと思います。




2018.1.6 付属する説明書の裏面がエスタの紹介となっていますので公開します。