Head Quarter Simulation Game Club @keioHQ
ゲーム概要
- 経営者として第4次産業革命の中、企業を繁栄へと導くことを目指す
- 相場の動きを読みつつ、適切な投資を行うのが大切
- 多くの選択肢があり、ジレンマがたくさん
プレイ人数 | 3〜4人 | プレイ時間 | 60〜90分 |
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対象年齢 | 12歳〜 | 価格 | 3,500円 |
発売時期 | 2018秋 | 予約 | 可 |
ゲームデザイン | Head Quarter Simulation Game Club有志 | イラスト・DTP | Adobe Stockにて購入 |
ゲーム詳細
慶應義塾大学の公認ボードゲームサークル Head Quarter Simulation Game Club による3作目です。
18世紀に起きた第1次産業革命は人々の生活を大きく変化させた。人々は工場労働に従事するようになり、近代的な生活様式が確立された。そして、21世紀において人類はまたしても大きな技術革新に立ち会っている。人工知能、ロボティクス、自動運転……こうした技術は人々の生活を大きく変化させつつある。そして、いずれはAIが人類の知能を凌駕すると言われている。この技術的特異点「SINGULARITY」は人類が長い歴史の中で培ってきた多くの概念をどのように変化させていくのだろうか……。
このゲームではプレイヤーは経営者として第4次産業革命の中、企業を繁栄へと導くことを目指します。自由に取引ができる市場を観察しながら、どの工場を建設するのかを考え、AI技術を開発していくことでゲームは進みます。開発したAI技術を何に使うのか、経営者独自のアイデアをどのように実現させるのかが悩ましく楽しいゲームになっています。
「SINGULARITY」は現代から近未来を舞台にした経済ゲームです。スタートプレイヤーから時計回りにターンを、最終的に誰かがAIレベル5に到達……つまり技術的特異点(Singularity)を迎えたらゲームが終了します。
プレイヤーは自分のターンになったなら
①開始フェイズ
②購入フェイズ
③生産フェイズ
④アクションフェイズ
⑤終了フェイズ
の全てを実行します。
このゲームのメインはアクションフェイズであり、アクションフェイズには2回(ゲーム開始時点)のアクションを実行することができます。
アクションには工場の建設や製品の購入、AIの研究などがあります。
経済ゲームであるこのゲームには、このように様々な製品の価格表があり、マーカーが上下することで価格が変動していきます。利益を上げるためには、これを参考にどの製品を生産するのか、何をいつ購入するのかを考えていく必要があります。
これが各プレイヤーが持つ個人ボードとなっており、上部に工場の建設予定エリアがあります。
その下にはFRP(繊維強化プラスチック)とIC(集積回路)の在庫を管理するスペース、さらにその下には資産や収入を管理するスペース、右下には3種類の労働者を管理するスペースがあります。
工場を建設すると、製品を生産できるようになる代わりに労働者を雇わなければならないため、収入が減少します。また、一度建設した工場は解体することはできません。そのため、適切な工場を建設しなければ利益が上がらないといったことになってしまいがちです。それだけではなく、一部の製品には生産にFRPやICがコストとして必要な工場が存在します。FRPやICには在庫上限が存在するため、コストが被ってしまうと将来的に工場を建設できないといった事態も発生します。現在の利益か未来の利益か、そうしたジレンマはこのゲームの魅力の1つとなっております。
さて、工場によって得られた利益はAIの研究に使うことができます。
AIの研究をすると次のターンの開始時にAIレベルが1上昇します。AIレベルが上昇するとゲーム終了条件に近づくだけではなく、AIボーナスを獲得することができます。AIボーナスには「技術の開発」「ボーナス得点」「アクション数増加」「在庫上限数増加」の4種類が存在します。
これがAI開発ボーナスを管理するボードです。
「技術の開発」をしたならば、収入を増加させられることに加えてゲーム終了時に条件に応じて得点を得ることができます。
「ボーナス得点」を得たならば、ゲーム終了時に条件に関係なく得点を得られます。
「アクション数増加」をしたならば、自分のターンにできることが増えるため、より柔軟にゲームをプレイできるようになります。
「在庫上限数増加」をしたならば、より多くのFRPとICを保有できるようになり、より多くの工場を建設できるようになります。
これらのボーナスは全て魅力的な効果ですが、1度のレベルアップで獲得できるボーナスはどれか1つだけです。そのため、自分にはどのボーナスが必要なのか、何を優先するべきなのかを考えなければなりません。レベルが上がったときは、あちらを立てればこちらが立たないようになっていますので、どのボーナスを獲得しようか非常に悩ましい瞬間となります。
AIボーナスによって開発した技術には収入や得点を得られる以外にもう1つの役割があります。それは、経営者のアイデアを実現するということです。
プレイヤーは下のようなアイデアカードを7枚持ってゲームを開始します。
アイデアカードはプレイするのに特定の技術が開発済みであるという条件が存在します。これは自分だけではなく他のプレイヤーが開発した技術でも構いません。
アイデアカードは強力なカードが多いため、早く使いたいと思うかもしれませんが、AIボーナスを使って技術を開発しなければなりません。しかし、これは他のプレイヤーが開発してくれるかもしれないため、他のAIボーナスを獲得したいのであれば少し待ってみるのもいいかもしれません。プレイヤーにはこのような判断を迫られる場面が度々訪れます。
プレイヤーを悩ませる要素はまだあります。
それはもう一種類のカードであるイノベーションカードの存在です。
イノベーションカードは初めて何らかの成果を達成したプレイヤーが獲得できるカードです。このカードは強力な効果を持っており、プレイヤーの戦略の指針となってくれます。しかし、このカードは各2枚しか存在せず、早い者勝ちとなっています。そのため、どのような戦略でいくのか、何を優先するべきなのかを常に注視する必要があります。
次にそれぞれの製品について紹介します。
FRPとICはこのゲームにおいて他の製品を生産するためのコストとなります。これらの製品は他の製品に比べて工場の数に応じて生産する数が変化します。そのため、FRPやICを生産するのであればたくさん工場を作ることで効率化することができます。
モバイル端末はスマートフォンやタブレットなどの端末を表します。この製品は多くの人が工場を建設すればするほど価格が安くなっていきます。
自動運転車はAIレベル1以上でないと工場を建設することはできません。自動運転車の価格は消費市場の規模によって決定されます。消費市場は労働者がどれだけ雇用されているかによって決定されます。
自律ロボットとアンドロイドはAIレベルがそれぞれ一定以上でないと工場を建設することはできません。これらの製品はアクションフェイズ中に購入することができ、購入したなら特定の労働者を解雇することができます。解雇することで収入を増加させることができますが、消費市場の規模は小さくなっていきます……
ゲームが終了したなら、得点計算をしてゲームは終わります。これによって最も点数が高いプレイヤーがゲームに勝利します。
ここではこのゲームの特徴的な点について記載していきましたが、より詳しいゲームの流れが知りたい方はぜひルールブックをご覧いただければと思います。
(※ルールブックは後日更新します)
ただの拡大再生産とは一味違う戦略構築と駆け引きを、是非ご体験ください。