米光とゆかいなゲームデザイナーズ
ゲーム概要
- じゃんけんをするためのカード24枚セット
- グー・チョキ・パーの他に「イド」という手があります
- これはヨーロッパに伝わる4種じゃんけんですが、勝敗規則を整理しました
プレイ人数 | 4〜24人 | プレイ時間 | 1〜10分 |
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対象年齢 | 歳〜 | 価格 | 0円 |
発売時期 | 2018春 | 予約 | 不可 |
ゲームデザイン | 柴崎銀河 | イラスト・DTP |
ゲーム詳細
井戸じゃんけんカードは、4種類の手の形をカードを使ってプレイするための道具です。ガリア地域に伝わる4種のじゃんけんを実現したもので、従来のじゃんけんにイド(井戸)を加えたものです。井戸は鋏と石に勝ち、紙に負けます。これを井戸じゃんけんと呼びます。
カード一覧
井戸じゃんけんの概要
「じゃんけん」は、正確な起源は分かりませんが、日本でも昔から伝わる勝負や遊びの手段です。グーは石、チョキは鋏、パーは紙を表したものです。石は鋏に勝ち、鋏は紙に勝ち、紙は石に勝ちます。とても分かりやすい勝敗の規則です。単純なのに明快な三竦(すく)みの構造があることで、逞しく継承されている文化の一つと言えます。
フランス・ドイツなどヨーロッパの一部では、これに井戸を加えた4種類のじゃんけんも行われています [1]。井戸は、石と鋏に勝ち、紙に負けます。石も鋏も井戸に落ちてしまうけれど、紙はひらひらして井戸を塞ぐからです。井戸の形は、親指と人差し指で輪を作ります。ここでは、それを「井戸じゃんけん」と呼びます。
本作【井戸じゃんけんカード】は、「井戸じゃんけん」をカードで実現するものです。カードを1回きりのプレイにすれば、回が進むにつれて使える手の選択肢が減っていきますので、相手の残りカードが何かの推理も必要になり、戦略的になります。なお、通常のじゃんけんをカードで行う手法として「限定ジャンケン」[2] が知られています。例えば、4人の場合、4種を1枚ずつで4枚を手に持って勝負を始めます。同時にカードを出して勝敗を決めます。手持ちの残りカードで勝負を進めて計4回の勝負になります。手持ちのカードをランダムに配る方法もあります。そうすると、カードの初期配置が偏ることで予測が難しくなります。
じゃんけんの引き分けを減らす方法として、次の2つが挙げられます。ひとつは《ゲーマーじゃんけん》[3]。そのルールは、出した手のうち最も少数派の者が勝ち、2つの少数派が同数の場合は、じゃんけんとして強いほうが勝ち、3種類とも同数の場合は引き分け、というものです。もう一つは《チョキじゃんけん》[4, 5] です。そのルールは、通常のじゃんけん勝負において三竦みによる引き分け時はチョキの勝ち、というものです。いずれも、全員が同じ手のときは引き分けで、2人が残ったときは、通常のじゃんけんになります。これらにより、引き分けは激減して、決着時間が一気に縮まります。当然ですが、これらを使う場合は、じゃんけんを始める前にどのルールを使うかの取り決めが必要になります。
井戸じゃんけんの勝敗規則
引き分けを減らす2つの方法は、どちらも「井戸じゃんけん」に適用可能です。まず、《ゲーマーじゃんけん》を適用した場合ですが、少数派の3種類が同数なら、三竦みが起こるなら引き分けで、それ以外はじゃんけんとして強いほうが勝ち、となります。一方、《チョキじゃんけん》を適用した場合は、三竦みによる引き分けはチョキの勝ちになります。残ったのは四竦みの場合ですが、四竦みならグーの勝ちと規定します。本作では、後者のルールを推奨します。これによって、引き分けがほとんど起こらない「井戸じゃんけん」ができました。
井戸じゃんけん勝敗表
〇は勝ち、×は負け、空白はその手を出した人が居ないことを意味します。
全員が同じ手のときは引き分けです。
井戸じゃんけん相関図
「井戸じゃんけん」は、「じゃんけん」グー(石)・チョキ(鋏)・パー(紙) に、欧州で使われている4番目の手の形、イド(井戸)を加えたものです。 イドは、グーとチョキに勝ち、パーに負けます。石も鋏も井戸に落ちてしまうけれど、紙はひらひらして井戸を塞ぐからです。引き分け対策として、 三竦(すく)みはチョキの勝ち、四竦みならグーの勝ちとしています。
(参考)チョキじゃんけんの勝敗規則
《チョキじゃんけん》は、多人数でのじゃんけんで引き分けを減らすために導入した規則です [4, 5]。三竦みによる引き分け状態はチョキの勝ちと定義します。それ以外は通常のじゃんけんと同じです。この概念は4種の手を持つ「井戸じゃんけん」にも拡大適用されました [6]。
参考文献
[1] "rock, paper, scissors, well", Mathematics Stack Exchange (2013/6/3)。
[2] 福本伸行:"賭博黙示録カイジ", 「限定ジャンケン」が登場する (1996)。
[3] "ゲーマーじゃんけん", Table Games in the World などWeb上で多数。
[4] 柴崎銀河:"チョキ勝ちじゃんけん", 米光一成の表現道場 (2017/5/20)、同 Blog "ちょきじゃんけん" (2017/6/23)。
[5] 米光一成:"あたらしいじゃんけんを作ろう2", こどものもうそうブックス (2017/10/19)
[6] 柴崎銀河:"井戸じゃんけんカード" , 有限会社銀河企画 (2018/1/29)。
参考サイト
XTAROTじゃんけんカード