Play With Us Design @PWUDesign
ブース概要
Play With Us Design は、台湾発のボードゲームブランドです。 「一緒に遊ぶ時間を、もう一度大切にしたい」という思いから、 小さく持ち運びやすく、気軽に遊べて、何度も楽しめるゲームをつくっています。 手に取ったときの質感や、遊んだあとに残るちょっとした会話も、 ゲームの大切な一部だと考えています。 今回のゲームマーケット2026春では、 新作『リーブス』『エーブス』『ウップス!』を中心に、 いくつかの作品をお持ちします。 エリア55でお待ちしています。 気になる作品がありましたら、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
その他
公式サイト: https://PWUD.ga/
https://twitter.com/PWUDesign
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- なぜ最後に落ち葉を選んだのか?——新シリーズの出発点としての『リーブス』
- 落ち葉になる前に——『リーブス』が最初にまとった二つの装い文/Yawen Jhengこんにちは。Play With Us Design のグラフィックデザイン、Yawen です。『リーブス』は、最初から今のような姿だったわけではありません。かつては窓格子であり、スチームパンクであり、コミカルなペンギンであり、海鮮ディッシュでもありました。神話や森の中を、短いあいだ旅していたこともあります。そして、そんな長い回り道を経て、最終的に「落ち葉」のゲームになりました。今年の初め、私たちはようやくまた制作に向き合う余裕ができ、新しい製品シリーズについても話し合い始めました。この新シリーズは、より軽く、よりシンプルなものにする予定でした。物理的なサイズとしても、価格としても、私たちのブランドの核にある「シェアする」という考えにより近いものです。複雑すぎる遊び方も、過度に大きな世界観も必要ありません。持ち運びやすく、気軽に取り出して遊びやすく、人と人が自然にやり取りを始めるきっかけになるようなシリーズを目指していました。そして『リーブス』は、その新シリーズの出発点にするつもりのゲームでした。だからこそ、『リーブス』のアートをもう一度考えるとき、私たちが見ていたのは「このゲームにはどんなテーマをのせるべきか」だけではありませんでした。このゲームがプレイヤーに届けたい核となる体験をきちんと伝えながら、新シリーズの代表として、このシリーズが最初にどんな印象を与えるべきかも考える必要がありました。最初は、またいくつか別の方向も考えました。たとえば、一番初期の窓格子の方向に戻り、少し中華風の要素を加える案。切り絵の表現で見せる案。さらには、葉の彫刻をモチーフにして、カードが一枚一枚、細かく模様を刻まれた葉のように見える案もありました。そして、ある日の会議で、話がとても自然につながりました。その日、Shi は Dray に参考として見せるため、落ち葉をテーマにしたボードゲームをいくつか持ってきていました。すると Dray も、ちょうど Shi に落ち葉を掃くビデオゲームの話をしたいと思っていたのです。ほとんど同じタイミングで、二人はそれぞれ別の方向から「落ち葉」というテーマを持ち出しました。創作には、そういう瞬間があるのだと思います。いくつもの案を考え、遠回りをしてきたのに、最後の答えは誰かが強く説得して決まるのではなく、ある瞬間にみんなが「あ、これかもしれない」と気づくように現れることがあります。こうして、『リーブス』は最終的に落ち葉をテーマにすることになりました。新シリーズのアートディレクションとパッケージデザインは、最終的に Dray が中心となって進めました。普段、彼は自分のことを「高級雑用係」と呼んでいますが、今回は製品ラインの位置づけから、ビジュアルの方向性、パッケージデザインまで、かなり多くの部分を背負ってくれました。彼は以前、こう言っていました。「経営のことも、お金の心配もしなくてよくて、ただ制作だけに集中できたら最高なのに。」そこで私たちは、彼の夢を半分だけ叶えることにしました。楽しく制作はしてもらう。でも、経営のことはやっぱり考えないといけない。そんな過程を経て、『リーブス』はようやく、ゲームマーケットでみなさんに見ていただく今の姿になりました。私たちはよく、「ゲームはどうやって作っているのですか?」「先にメカニクスがあるのですか? それともアートや物語が先ですか?」と聞かれます。実際のところ、私たちの制作に決まった公式はありません。ゲームによって、生まれ方はまったく違います。『ヴィータモーズ』が物語から始まった一方で、『リーブス』はメカニクスから始まりました。ただ、どちらが先であっても、その過程ではルールとアートが互いにぶつかり合い、磨き合う時間があります。私たちは最初から「これは最終的にこうあるべきだ」と決めているわけではありません。何度も試し、そのたびに「まだ少し違う」と感じながら、少しずつ輪郭を探り、ようやくそのゲームらしい空気感をつかんでいきます。採用されなかった案を振り返ることで、私たちは改めて気づきました。『リーブス』を通してプレイヤーに届けたいのは、大きな世界観ではありません。短く、澄んでいて、集中できる時間です。テーブルの上に並ぶ葉の間で、観察し、比べ、判断し、答えを見つける瞬間を楽しんでほしい。静かで、軽やかで、ルールは複雑ではないのに、ついもう一度挑戦したくなる。そういうゲームであってほしいと思っています。私たちにとって、『リーブス』の開発はとつの学びでもありました。ゲームは、より大きく、より華やかにならなければ完成しないわけではありません。ときには、余分なものを取り除き、そのゲームに一番合う姿を残すことのほうが大切なのだと思います。もしかすると、それが『リーブス』が最後に落ち葉になった理由なのかもしれません。多くを語ろうとせず、絵でゲームを覆い隠すこともなく、ただ静かに、プレイヤーを観察と判断の時間へ導いていく。ここまで読んでくださって、ありがとうございました。もしゲームマーケットで『リーブス』を見かけたら、ぜひ私たちのブースで試遊してみてください。静かで、軽やかで、それなのにもう一度挑戦したくなるこの小さなゲームを、みなさんにも気に入っていただけたらうれしいです。
- 2026/5/8 2:49
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- きれいに描けば、それでいい?——『リーブス』にならなかったアート案たち
- きれいに描けば、それでいい?——『リーブス』にならなかったアート案たち文/Yawen Jhengこんにちは。Play With Us Design のグラフィックデザイン、Yawen です。『リーブス』は、最初から今のような姿だったわけではありません。落ち葉をテーマにしたゲームになる前に、私たちはまったく異なるアートの方向性をいくつも試しました。かわいいものもありましたし、美しいものもありました。完成度が低くなかったものもあります。それでも、最終的にそれらは『リーブス』にはなりませんでした。なぜでしょうか。このゲームで一番難しかったのは、「絵が上手いかどうか」ではなく、そのアートが本当にこのゲームに合っているかどうかだったからです。2022年2月の中旬から下旬にかけて、つまり一年の中でも比較的落ち着いていて、国内外の大きなボードゲームイベントもなく、少し頭を整理しやすい時期に、私たちは再びこのゲームをどう見せるべきか考え始めました。このときの試行錯誤は、とても密度の濃いものでした。コミカルなペンギンから海鮮ディッシュ、ギリシャ神話からエジプト神話まで、私たちは2か月の間にいくつもの方向性を試しました。細かいバージョンまで含めると、おそらく9案ほどあったと思います。その頃、私は毎朝起きると、まず自作の試作カードを取り出して遊んでいました。1、2問ほど解きながら、ゲームの感触をもう一度確かめつつ、「このゲームはいったいどんな見た目であるべきなのか」と考える。ついでに頭のエンジンをかける。そんな感じでした。食事中も考えていましたし、シャワーを浴びているときも考えていました。寝る前にも、やっぱり考えていました。このゲームには、どんなアートがふさわしいのだろう、と。どのバージョンも業界関係者にテストしてもらいましたし、最後のエジプト神話版は一般のプレイヤーにも遊んでもらいました。反応は決して悪くありませんでした。それでも、私たちの中では「これしかない」と思えるところまでは届きませんでした。コミカルなペンギン版はかわいく、親しみやすいものでした。ただ、ペンギンそのものが白黒のコントラストを強く持つため、ゲーム中に素早く情報を見分けるには少し不向きでした。反対に、海鮮ディッシュ版はシンプルで、見やすく、判別もしやすかったのですが、記憶に残るだけの特徴が少し足りませんでした。小声で言うと、ペンギン版は実は2案ありました。ただ、2案目は視点がちょっと……うん、これは載せづらいかも、という感じだったので、ここでは1枚だけ見て雰囲気を感じていただければと思います……。ギリシャ神話の運命の三女神を人物として描いたバージョンは、線が柔らかくロマンチックでしたが、ゲームのコンポーネントとしては少し複雑でした。象徴モチーフ版は外枠がシャープで、中央のモチーフも優雅にデザインされていました。ただ、全体としてはゲーム中に素早く判断するための情報というより、眺めて楽しむ、あるいはコレクションしたくなる絵に近かったのです。 霧の森版とエジプト神話版でも、似たような問題にぶつかりました。どちらにもそれぞれ魅力があり、目を引く力もたしかにありました。けれど、私たちが美しい絵でこのゲームを見せようとすればするほど、このゲームが本来プレイヤーに届けたい感覚から離れていくようにも感じました。私たちは、アートがあまりにシンプルで「デザインされていない」ように見えることは避けたいと思っていました。けれど同時に、美しさがゲームそのものを覆い隠してしまうことも望んでいませんでした。『リーブス』の核にある体験は、シンプルさ、素直さ、素早い判別、そして一瞬の判断です。私たちにとって最も難しかったのは、美しさを持ちながらも、ゲームのテンポを邪魔しないバランスを見つけることでした。だからこそ、それらの案は「否定された」のではありません。むしろ、ひとつひとつが、違う方向を丁寧に取り除いてくれたのだと思います。そして少しずつ、このゲームに必要なのは、より強い世界観ではなく、もっと静かで、軽やかで、本質に近いテーマなのだと分かっていきました。2022年の後半になると、感染状況も少しずつ落ち着き、海外のボードゲームイベントも再開されていきました。私たちは、この数年で出版したゲームのプロモーションに力を入れることになります。こうして『リーブス』のアート探しは、また一度、棚上げになりました。
- 2026/5/8 2:39
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- 落ち葉になる前に——『リーブス』が最初にまとった二つの装い
- 落ち葉になる前に——『リーブス』が最初にまとった二つの装い文/Yawen Jhengこんにちは。Play With Us Design のグラフィックデザイン、Yawen です。『リーブス』は、最初から今のような姿だったわけではありません。今みなさんにご覧いただいている『リーブス』は、禅の趣を感じさせる、ミニマルでクリーンな抽象カードゲームです。けれど、それが「落ち葉」になる前には、窓格子、スチームパンク、コミカルなペンギン、海鮮ディッシュ、ギリシャ神話、霧の森、さらにはエジプト神話まで、本当にさまざまな装いをまとってきました。最終的にそれらの方向性は採用されませんでしたが、単に捨てられたラフ案だったわけではありません。私たちにとっては、ひとつ試すたびに「これは違うかもしれない」という可能性をひとつずつ確かめていくような作業であり、その積み重ねが今の『リーブス』へとつながっていきました。このゲームのアートデザインが最初に動き出したのは、2019年の春でした。ゲームの仕組み上、『リーブス』をどんなビジュアルで見せるかは、最初から簡単な課題ではありませんでした。かなり抽象度の高いゲームであり、プレイヤーは短い時間の中で絵柄や要素を見分け、比べ、素早く判断しなければなりません。そのため、アートが薄すぎると「デザインされていない」ように見えてしまう一方で、目立ちすぎるとゲームそのものを邪魔してしまいます。私たちにとって、それは新しい挑戦であり、かなり難しい課題でもありました。当時、ディレクターのDrayが「伝統的な意匠や古風な雰囲気で、この抽象的なゲームを見せてみてはどうか」と提案しました。そこで最初に試したのが、台湾の歴史的建造物である「中正紀念堂」の窓格子をモチーフにしたビジュアルでした。その頃、私たちは中正紀念堂を訪れました。ただ、建物の中にはあまり長くいませんでした。むしろ外周をぐるりと歩きながら、本当に見たかった外壁の窓格子の形を観察し、記録していました。ところが、それから間もなく新型コロナウイルスの影響が日常生活にも及び始め、制作の進行はいったん止まることになりました。翌年6月、台湾で少しずつ防疫措置が緩和されてから、私たちはようやくこのゲームをどう見せるべきか、再び考え始めました。その頃、ゲームデザインチームでは、中心となる仕組みに別の要素を加える案も検討していました。たとえば、指定された色の重ね方を達成するとスキルを発動できる、といった方向です。その方向性をより具体的にするため、『ソーラウィン』のイラストレーターであり、脚本やキャラクターデザインも得意な現役漫画家の茄子さん、そして経験豊富なアートデザイナーの7moさんにも参加してもらい、このゲームの世界観がどのようなものになるのかを一緒に話し合いました。彼らの自由で豊かな想像力とアイデアから、私たちはスチームパンクをテーマにしたビジュアルを思いつきました。それはとても魅力的な方向でしたし、本当にかっこよかったです。けれど、その方向へ進めば進むほど、私たちは気づいていきました。これは、このゲームが本来プレイヤーに届けたかった体験から、少しずつ離れていっているのではないか、と。スチームパンクは、キャラクター、世界観、スキル、そしてより大きなドラマ性をもたらしてくれます。けれど、『リーブス』の核はそこにはありません。このゲームの魅力は、シンプルなルール、素早い観察、そしてプレイヤーの頭の中で判断がつながるその瞬間にあります。だからこそ、名残惜しくはありましたが、私たちはいったんスチームパンクというテーマを手放すことにしました。それはおそらく2021年の初め頃でした。台湾では一時的に感染状況が落ち着き、私たちは「そろそろみんなも、また人が集まって遊ぶゲームを求めているのではないか」と考え、『ヴィータモーズ』の続編である『ヴィータモーズ.コンスピロ』の開発に集中し、同年5月に予定どおり出版しました。ところが、ちょうどそのタイミングで感染状況が再び悪化します。台湾では屋内で5人以上集まることが制限されるようになりました。そして『ヴィータモーズ.コンスピロ』は、よりによって最低5人から遊ぶゲームだったのです。とはいえ、それはまた別のお話です。とにかく、『リーブス』のアート探しは、こうして再びいったん止まることになりました。
- 2026/5/8 2:12
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- 迷路に出口はあるのか?『八歩』が『リーブス』になるまで
- 迷路に出口はあるのか?『八歩』が『リーブス』になるまで文/Shi Chen 編集/Amoon『リーブス(Leaves)』は、静かで、ミニマルで、すっきりとした抽象カードゲームです。けれど、このゲームが皆さんにお届けできる形になるまで、私たちは何度も立ち止まり、何度も引き出しにしまってきました。前回お話ししたように、私たちは一度、『八歩』をもっと重く、もっと完成されたゲームにしようとしました。しかし、その方向では、だんだんと本来のシンプルで澄んだ面白さから離れてしまうことに気づきました。そして、また最初の問いに戻りました。このゲームは面白い。では、どうやって出版すればいいのか。しばらくは良い突破口が見つからなかったため、私たちは当初の出版計画に沿って、先に『ヴィータモーズ』の続編である『ヴィータモーズ.コンスピロ』の制作を進めました。私たちは普段から、ひとつのゲームだけを編集しているわけではありません。複数の企画を並行して進めながら、その時々で優先度を判断しています。当時は現実的な状況として、より急いで形にする必要がある作品に力を注ぐことになりました。その後、COVID-19が世界中に広がりました。テーブルゲームにとって、人が集まれないこと、店やイベントが止まることは、とても厳しい状況です。こうして『八歩』は、しばらくのあいだ再び引き出しの中に戻ることになりました。やがて少しずつ日常が戻り始めた頃、私はあきらめずに努力を続けました。つまり、出社するたびに「私は本当に『八歩』が好きなんです」とチームに言い続けた、ということです。その甲斐もあって、2023年のはじめ、年間計画を話し合う中で、私たちはもう一度『八歩』をテーブルの上に戻しました。そしてついに、その年の主要な開発タイトルのひとつとして取り上げることになりました。私は本当に『八歩』が好きでした。時間が経つほど、シンプルで洗練されたゲームを作ることの難しさを強く感じるようになりました。そして『八歩』には、私がプレイヤーに体験してほしい感覚がたしかにありました。だからこそ、どうしても出版したかったのです。ただ、物語はここでもう一度曲がります。2023年の初め、私たちは『八歩』のテーマや美術の方向性を探し続けていました。その一方で、私は別の新しいゲームアイデアを思いつきました。それが、のちの『ドゥードルパズル』の中心ルールになります。当時、『八歩』はまだ壁にぶつかっていました。一方で『ドゥードルパズル』は、形になる道筋が見え始めていました。そのため、私たちは開発の重心を『ドゥードルパズル』に移し、『八歩』は会議の残り時間で引き続きアイデアを出し合う、という形になりました。2023年末、『ドゥードルパズル』が発売されました。その後、過去作のリメイクや新しい商品ラインについて話し合う中で、Drayがひとつの提案をしました。もっと軽く、手に取りやすい価格で、これまでの Play With Us Design のラインナップとは少し違うシリーズを作ってみてはどうか。この提案は、私にとって大きな扉が開いた瞬間でした。まるで、ずっと解けないと思っていた『リーブス』の問題に、実はちゃんと解き方があると気づいたような感覚でした。最初の『八歩』では、9枚のカードをそのまま場に並べ、プレイヤーがそれらをひとつの山にまとめるルールでした。しかしこの形式では、確率は低いものの、どうしても「解けない問題」が発生する可能性がありました。私たちは、プレイヤーが問題そのもののせいで止まってしまう状況を避けたいと考えました。そこでルールを変更しました。場に並べるカードは8枚。中央には空きマスをひとつ残します。そしてプレイヤーは、手札3枚の中から1枚を選んでその空きマスに置き、そこから問題を解き始めます。つまり、問題を解く鍵はプレイヤー自身の手の中にあるのです。テストプレイ中、プレイヤーからよく聞かれました。「これ、解けないことはありますか?」今なら、はっきり答えることができます。ありません。なぜなら、問題はもう閉じた9枚のカードではないからです。プレイヤーは、そのうちの1枚を自分で選ぶことができます。そのおかげで、ほとんどの問題には非常に多くの解き方が生まれます。私たちはこの点について、プログラムでも検証を行いました。振り返ってみると、『八歩』が『リーブス』へと変わっていく過程も、少しこのルールに似ていたのかもしれません。一見すると解けないように見えても、本当に道がないわけではない。ただ、どのマスから始めればいいのか。どの1枚を置けばいいのか。私たちがまだ見つけられていなかっただけなのです。だからこそ、私たちはこのゲームをあきらめませんでした。何度も試し、何度も方向を変え、何度も引き出しから取り出して眺めました。そして、商品ライン、美術の方向性、ルールの形が少しずつかみ合っていったとき、ようやく迷路の出口が見え始めました。では、なぜこのゲームは最後に「落ち葉」になったのか。そして、どんな美術案が採用されずに消えていったのか。それは、もうひとりの当事者が語る物語です。次回は、Yawen に『リーブス』になる少し手前の、いくつもの姿について話してもらいます。作者紹介Shi Chen(チェン.シー)Play With Us Design のゲームデザイナー。2010年にボードゲームと出会い、2015年に仲間とともに Play With Us Design を立ち上げ、ゲームデザインと出版の道へ。好きなゲームジャンルはデッキ構築。運の要素が強すぎるゲームは少し苦手。現在の目標は、より多様なタイプの作品を生み出していくこと。
- 2026/5/2 5:17
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- 足せば足すほど、面白くなるのか? 足し算のデザインで迷子になった『リーブス』
- 足せば足すほど、面白くなるのか?足し算のデザインで迷子になった『リーブス』文/Shi Chen 編集/Amoon『リーブス(Leaves)』は、静かで、ミニマルで、すっきりとした抽象カードゲームです。けれど、最初から今のように軽やかなゲームだったわけではありません。前回お話ししたように、『リーブス』の原型である『八歩』は、とてもシンプルなルールを持つ、純粋な抽象ゲームでした。ただ、シンプルだからこそ、私たちはすぐにひとつの現実的な問題にぶつかりました。「このゲームは、少し軽すぎるのではないか?」『八歩』の遊び方は、9枚のカードを場に並べ、共通する要素を持つカード同士を重ねていき、最終的にすべてをひとつの山にする、というものでした。この部分は、現在の『リーブス』にもかなり近いものです。私は、このシンプルで澄んだルールがとても好きでした。チーム内でも「これは面白い」という手応えはありました。けれど同時に、「このままでは商品として弱いのではないか」という不安もありました。そこで私たちは、この中心となるカードを重ねる仕組みを、もっと大きなゲームの中の「アクション」として組み込むことを試しました。この段階では、編集の許恪がたくさんの案や面白い設定を出してくれました。簡単に言うと、プレイヤーは9枚のカードをひとつの山にまとめることに成功すると、その中の1枚を獲得できます。そして、そのカードを資源として集め、勝利条件の達成を目指す、という構造です。たとえるなら、『パズル&ドラゴンズ』のパズル部分に少し近いかもしれません。パズルそのものが中心の操作ではありますが、パズルをする目的はコンボを生み出し、その結果としてキャラクターが攻撃することにあります。当時の私たちは、『八歩』のカードを重ねる仕組みにも、同じような役割を持たせようとしていました。つまり、それ自体がゲームのすべてではなく、資源を生み出し、次の行動につなげるための中心的なアクションにしようとしたのです。この方向性にすれば、たしかにゲームはより豊かになります。目標も増やせますし、戦略の幅も広げられます。ちなみに、このバージョンではスチームパンクのテーマを使っていました。『蒐霊祭』のイラストを担当してくださったイラストレーターさんに美術設定もお願いしていて、これがまた、とても格好よかったのです。私たちはこのバージョンを、およそ2か月ほど調整しながらテストしました。ステージを作り、勝利条件を調整し、資源をどう獲得し、どう変換するかを考え続けました。けれど、時間をかければかけるほど、ゲーム全体の感触は少しずつ重たくなっていきました。本来の中心だった「カードを重ねて解く」部分が、資源を得るための手段になったことで、ゲーム全体がどこか頭でっかちになってしまったのです。もちろん、『八歩』本来のパズル部分にはしっかりとした手応えがあります。また、資源を集めたり交換したりしながら勝利目標を目指す遊びにも、魅力があります。ただ、私にとっては、そのふたつが一緒になったとき、前者がそこにある必然性が少し弱く感じられました。もっと簡単に言うと、後から足したゲーム部分は、別の中心メカニクスで資源を得る形にしたほうが、きっともっと自然で、もっと面白くなる。そう感じたのです。だからこそ、『八歩』を大きなシステムの中に組み込むよりも、もともとの純粋な仕組みをそのまま残し、プレイヤーにいちばん澄んだ形で体験してもらうほうが、このゲームには合っているのではないか。この考えは、少しずつチーム内でも共有されていきました。しかし、そうなると最初の問題に戻ってきます。重くしないなら、このゲームをどうやって商品として出せばいいのか。私たちはまた、迷路の入口に戻ってきてしまいました。作者紹介Shi Chen(チェン.シー)Play With Us Design のゲームデザイナー。2010年にボードゲームと出会い、2015年に仲間とともに Play With Us Design を立ち上げ、ゲームデザインと出版の道へ。好きなゲームジャンルはデッキ構築。運の要素が強すぎるゲームは少し苦手。現在の目標は、より多様なタイプの作品を生み出していくこと。
- 2026/5/2 5:15
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