Y.Seminar

アナログゲーム製作サークルのY.Seminar(ワイゼミナール)です。
2020秋で新作『うっかりペンギン』を頒布予定です。
これまでオリジナルボードゲーム『トレコマ~TRADE×COMMERCE~』シリーズ、『バトルカンパニー~野望の列島~』、『○剣伝説』、『クリスタニアの宝物庫』を制作いたしました。

【19秋新作】クリスタニアの宝物庫制作レポ①
2019/10/21 0:32
ブログ

こんにちは。Y.Seminarです。

今回から企画として新作ボドゲ『クリスタニアの宝物庫』の
制作レポートを書いていこうと思います。

『クリスタニアの宝物庫』ってどんなゲーム?という
疑問についてはこちらのゲーム紹介記事をご覧ください。

不定期連載です。備忘録としても残しておきたいので
一部読みづらい部分もあるかと思いますがご容赦頂ければ幸いです。
ではよろしくお願いいたします。

1.はじめに

前回のゲームマーケット2019春で販売した
中二病パーティカードゲーム『〇剣伝説』
おかげさまで好評でして、再販作業などをしているうちに
秋に出す新作を決めないといけない時期になりました。

メンバー会議の結果、

・色と形をそろえる四目並べ風を考案
・見た目と動かしやすさから、宝石モチーフにする
・宝石は3色×3形状使う

ということが決まりました。

そのあと色々とありましたが、
今回はコンポーネント編というくくりで
ゲームで使用する宝石トークンについて焦点を絞って書いていきます。

2.試作編

当初は既製品(服飾用品)のフラットなタイプのもので試作してみましたが
【指でつまんで盤面へ置いていく】というゲームの特性上、
もう少し立体感があるもので、それなりに大きいサイズが必要だと
わかりまして、ここからイメージ通りのものを探す旅が始まりました。

既製品のフラットタイプ

まず、お祭りの宝石すくいに使うようなおもちゃのアクリル宝石で検討しましたが、
A〇az〇n、〇天、中国通販サイト等で探し、おもちゃ問屋実店舗にも足を運び、
様々な業者に問い合わせましたが求める形状・サイズ・材質のものがなく、
大量購入も不可能だったため難航します。

仮にそれぞれ別の仕入先から購入すると、
仕入先によって色味が全く異なるため
一口に赤といっても様々な赤が出てしまう懸念があります。
色を揃えていくゲームなのに、これではゲームとして破綻してしまいます。

更に調べていくと<色なしクリアタイプ>のものなら3種類の形状を
大量購入できることが分かりました。



この時点で「完成された宝石トークンを業者から仕入れる」ところから
「透明な宝石トークンを業者から仕入れ、自分たちで着色する」という
方針へシフトしていきました。

3.着色編

着色案は以下です。

・スプレーやペンキなどの塗料→不採用
(理由)透明感が失われる、手触りが悪くなる、ムラができやすい、膨大な時間と手間がかかる

・樹脂用染料SDN→採用
(理由)樹脂に塗料の粒子をしみこませる事で着色するので色移りもしにくい、
一度に大量に染め上げるのに適しているらしい  など

よって、クリアタイプの宝石を大量購入しまとめてSDNで染めることで、
色味の統一感も担保しつつ目的の数を用意することに決定しました。

早速染料を取り寄せ、少量で実験してみます。
SDNは温めた希釈液に素材を一定時間漬け込むことで色を定着させますが、
材質や形状の微妙な違いによって温度や漬け込み時間も変わるため
微調整しながら少しずつ試案します。



各形状満足のいく仕上がりになったため大量生産にGOサインが出ました。

しかし問題点もわかりました。
SDNは熱するとケミカル臭が発生し、体にも悪影響が危惧されるため
室内での使用は厳禁です。間違っても一般家庭のキッチンなどでやってはいけません。
また、こぼしたら取れません。よって決行は某所のガレージで作業することになりました。

着色方法も作業場所も決まり、決行日を前に我々は気づいてなかったのです。

地獄へのカウントダウンがはじまったことに。

次回、激闘!闇鍋作業編へ続きます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。