ゲーミフィジャパン @GamifiJapan
「ゲーミフィ・ジャパン(Gamifi Japan)」は、「ゲーム性で課題解決する。」をテーマに2013年から活動しているチームです。
主に、アナログゲームの「製作」「製作支援」「活用」から、世の中の問題解決を目指します!
- [I17-18] 推理ゲーム「初恋探偵事務所」こだわりと制作秘話
- 2015/5/5 2:10
2014秋のゲームマーケットで、ゲーミフィジャパンで最も販売数の多かった作品「初恋探偵事務所」。2015春 には、パッケージに修正を加えて再販される。ここでは再販売にあたり、制作へのこだわりや、制作にまつわるこぼれ話しをお届けします。
■推理ゲーム「初恋探偵事務所」制作者インタビュー(ゲーミフィ・ジャパン[召喚士]・熱田 大 氏)
◆初恋探偵事務所が生まれた経緯は?!
A.「うつし絵」というシリーズで、関口弘呂子さんが女性を描かれているのですが、この女性画がとにかく美しくて、内面を感じさせるような作品ばかりなんです。
この女性の絵を家に飾っていたりしたら照れたり怪しく思われるという声があるくらいで、
それくらい、何かこう真実みがあるんですよね・・。
その絵をもう少し身近に置いておいても許される方法として(笑)、アナログゲームのカードとして存在させるのがいいんじゃないかと・・、
きっかけはそんなことから始まりました。
つまり、登場する「依頼者の初恋相手の女性」のイメージから、「初恋探偵事務所」の企画はスタートしています。
◆ゲームデザイン(制作)に関してはどのように進行していきましたか?!
A.まず徹底して、この女性たちが”いやらしくない感じ”で登場する方法を考えました。(笑)
ここが最も時間を費やしたかもしれません。どんなシチュエーションがいいかなと・・。
原画の関口さんとも何度かディスカッションしたりして、そんな中から(初恋相手探しを依頼された探偵)という設定が降りてきました
プレイヤーが愛している女性ということではなく(誰か別の登場人物が愛した女性)というシチュエーションをつくりたくて、そんなところからですね。
そんな経緯で(推理ゲーム)にするという方向が決まり、世の中の推理ゲームを一通り舐めさせていただきました。
推理ゲーム・探偵ゲームってどんな共通要素があるのだろうと・・。
割と論理的に整理すすことで、今回はゲームデザインしていきましたね。
★ゲームの完成度・納得度はいかがでしたか?!
A.いわゆる推理ゲームを極限までシンプルにした内容になっていると思ってまして、その点を自負しています。
推理ゲームというのは、言ってみれば(消去法で事実を潰していき、その結果として真実に近付く)ということだと最終的に理解しました。
真実にいち早く近付くには、運も推理力もあるのですが、とにかく事実(証拠)を掻き集めないと見えてこないというのが共通項なんです。
例えば数字の推理だと、「ヌメロン」とか数当て系の推理ゲームがありますが、そんな(推理感を街と探偵と初恋女性)で表現した作品です。
そういう意味では、推理ゲームにしては短時間プレイのゲームですが、それでも頭を使う感じが得られるゲームとして、納得のいく作品に仕上がっています。
◆特にこだわったポイントはありますか?!
A.結構あちこちこだわった挑戦をしています
まずプレイマットが標準で付いていて、プレイマットに包むカタチで持ち運びができるような設計にしています。
これには3つ理由があって、1つめは、カードを難度もめくるゲームなので、めくりやすいようにマットがほしいなと・・これはユーザー目線ですね。
2つめは、箱にお金を掛けないで作れないかなと考えていまして、そんな挑戦の現れです。
3つめは、モチーフの女性たちの柔らかさというか、リアリティーを、いかにも商品的な箱に入れない方が世界観がでるなと・・。
その点に関しては、ゲームの中で(探偵チップ)というのを使うのですが、この素材として昔ながらの”おはじき”を使ったりもしています。
これは関口さんのアイディアなのですが、そんな柔らかさが表現できるようにと、コンポーネントには配慮しています。
◆制作上、苦労した点などはありますか?!
A.これはエディトリアルデザインをお願いした森屋さんの苦労ですが、街並の写真のエフェクト加工のイメージには苦労しています。
これも同じくですが、女性の雰囲気にどう合わせようかと・・。もう本当に全て女性本意です。(笑)
地域的な世界観も、女性本意で考えまして(笑)、「日本の街並百景」という基準から、中四国地方の各所を選ばせて頂きました。
なので、舞台は常に街なのですが、中四国の各県を旅していくイメージもあります。
地図で見ると瀬戸内海周辺の景色は本当に情緒があって美しいなと思います。
そんな街のどこかに彼女たちが居ると思うとトキメキますよね?!
◆今後の制作に関して何かあれば
A.結果的に地域をテーマにした推理ゲームにもなっているので、地域とコラボした「初恋探偵事務所」とかできたらいいなと思っています。
これはウェルカムなので、そんなご要望がありましたら遠慮なく頂戴できればと・・。
そして、実はそもそも続編を想定しています。(もちろん、皆様の評価を頂ければですが・・)
独立したコンポーネントでありながら、追加セットとしても使えるようなものにできたらいいなと考えています。
すでに女性(原画)はスタンバイ済みです。笑
ゲームルールはかなりシンプルに落としているつもりなのですが、それでも推理ゲームなので頭を使います。普段使わない頭を使う感じがあると思います。
なので、ルール的により複雑になるようなことのないように、それでいて毎回新たな発見があるように、そんな続編ができたらいいなと・・
そのためにも、是非「初恋探偵事務所」をお楽しみいただき、ご意見頂ければと思います。
ありがとうございます。(熱田)
→■推理ゲーム「初恋探偵事務所」