カラメルカラム

神保町にあるゲーム会社です。アナログ・デジタル問わず、ゲームを作っています。

『THE 残業』は31枚の残業絵巻である!
2016/11/11 22:44
ブログ

『THE 残業』はゲームデザイン担当の大野と、アートワーク担当の私シラカワの2人で作ったわけですが、制作を初めてからしばらくはずっと大野のターンッ!私は大野が作ってきたルールを聞いて「ふーん」とか「ほーん」とか言いつつ、たまに「ここわかりづらい」などとコメントしてただけだったのです。しかしルールが固まってからシラカワのターンッ!(鈍い音)。いよいよキャラクターデザインと、イラスト制作が始まってしまいました。

このトリックテイキングゲームには31種の「退勤カード」を使います。それぞれに固有の時間が記されていて、時間がカードの強弱を示すという作り。

ゆえに。31種類のイラストを描かなければならないわけで。えぇ……。

さて、私は「渡りに船だ!」とでも言うように、以前より描いておりました自分のオリジナルキャラクター「デス・クワーカー」君をこのゲームの主人公にすることに決めました。ぶっちゃけると最初は4キャラクター出すつもりでしたが、今になって思うとやめておいて正解です。

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ボツった4キャラ体制。特に一番左のやつヤバイ。こんなやつ描いてたら終わらなかった。

登場キャラクターをデス・クワーカーのみに絞ったところで、31種類のイラストラフ案を出すわけですが、これが最初の難関。最初の5パターンくらいは簡単に出たんですが、そこから先は「残業中ってどんな感じだっけ……」という自問自答を繰り返し、サラリーマン時代の甘酸っぱい思い出を頭から引っ張り出していくのです。開けてはいけない扉を開けている気分でした。

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ラフはクロッキー帳に手描き。汚くて自分でよくわからなくなる悪い例。

まぁそんなこんなでなんとか31パターンのイラスト案をでっち上げ…否、吟味しまして、いざ本制作となりました。そもそも私、絵描きが本業ではござらんので、ちゃんとしたデジタル制作はこれが生まれて初めて。つきましては巷でも評価の高い「CLIP STUDIO」を導入した次第でござる。ペンタブの操作はなんとか慣れていたのですが、ほぼすべて手探りです。第二の難関です。

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こんな感じで。時間ごとのデス・クワーカー君の様子を描きました。

という具合に、来る日も来る日も絵を書き続け、時に差分でごまかし…もとい、合理化を図りながらなんとか31種類のイラストが完成したのです。さぁこれであとはデザイン作業に入るぞーっとなった時、第三の難関が私に襲いかかりました。それは……。

「俺、上手くなるスピード速すぎ問題」

はい。初心者にありがちなやつです。31枚のイラストを描いていく過程で、ペンさばきの上達、クリップスタジオの便利機能発見、レイヤー分けの最適化習得、そしてそもそものキャラクター造形の改善、等が原因です。最初に描いたデス・クワーカー君と、最後に描いたデス・クワーカー君がまるでクオリティちがうやんけ、という問題が発生したわけですね。まぁこれ解決方法は一つだけなので、泣く泣く描き直しました。残業して。

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※「上手くなった」はあくまで個人的な感想です。

ハッ!長くなりすぎました。今回はイラストの話だけになってしまいましたが、今度デザイン編も書きたいと思います。それでは12月11日、【東7ホール・J04】ブースでお待ちしております。

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