米光ゲーム

「はぁって言うゲーム」「あいうえバトル」「国家予算人狼」「言いまちがい人狼」「変顔マッチ」「走れメロスたち」「はっきよいゲーム」「レディーファースト」「想像と言葉」や、「ぷよぷよ」「BAROQUE」「トレジャーハンターG」「キングオブワンズ」などをゲームデザインした米光一成と、優秀なゲームデザイナーズがお届けします。

【L03–04】米光一成のゲーム作り道場のこと
2016/12/9 11:00
ブログ

新作『INTERVIEW』は、池袋コミュニティカレッジで行われた「米光一成のゲーム作り道場」で生まれました。
やー、プロトタイプを作ってからの個別指導&テストプレイでの試行錯誤がめちゃめちゃ楽しかった!
ひとりひとり作るゲームも違えば、米光さんのアドバイスも違う。



私の場合、どんなふうに手助けしてもらったか。

最初の発想は、演劇ワークショップでやった「記者会見」というミニワークでした。
一人が重々しく「発表します! 私の名前は××です」と答えると、残りの人間が「××さん、あなたにとって◯◯とはなにですか?」と聞きます。聞かれた人は答えます。
これを3回やります。
3回のうち1回は嘘が入っています。どれが嘘だったかを、聞いていた人間は推理します。
これを全員が順繰りにやっていきます。

「記者会見」は、青年団演出部の田野邦彦さんが考案したオリジナルのワークです。
「嘘が入れば、それは演劇になる」
「ただの自己紹介だと人は集中して聞かないけど、嘘が入っているとわかると注意深く聞くようになる」

と田野さんは言ってました。

これをカードゲームにしたい。
このワークは初対面でも盛り上がって楽しいのですが、「あなたにとって◯◯とはなにですか?」の質問で、面白いものをなかなか思いつけない。
なので、ランダムに出てくるカードに質問が書かれていたら、もっと盛り上がるんじゃないかなーと。

米光さんに相談すると、
「1人が3回も答えると一周するのに時間がかかるから、そのなかのだれが嘘を言っているのかを当てるゲームにしたら?」
そこで感動その1。全員がどの回で嘘をつくかではなく、誰が嘘をつくかに、焦点を変えたら、一気にシンプルに!

他の受講生もそうだったのですが、頑張って作ろうとすればするほど、システムが複雑になって、時間もかかるものになっていました。
それを「こうすればシンプルになるよ」と、すいすいすいすいとすっきりさせてました。言われると「あ、その手があったか!」となるけど、夢中になってるときは盲点になってるんですよねー。

さらに受講生同士でのテストプレイの途中、「これ、嘘一人、残りは本当のことを答えるより、本当は一人だけで残りは嘘にしたほうがよくねー?」言われて、私は「やだやだそんなのインタビューの醍醐味が薄れる」と反抗。
でも米光さんに「試してみればいいじゃん」と言われて、試してみたら、そっちのほうが盛り上がることが判明しました。
感動その2。テストプレイで人の意見を取り入れたり、試したりすることでどんどん面白くなる。

飲み会でも盛り上がったので、正直、私は「もうこれで完成でいいじゃーん」と思ってました。
そのタイミングで、米光さんは言いました。
「でも、もうひとスパイス欲しいよね?」
感動その3。ゲームを作るひとは妥協しない! シンプルになったところで、今度はあれやこれやくわえる試行錯誤がまた始まる!



そこで、いろいろ考えて、「うそ役」のひとは、ランダムに配られたカードに書かれた言葉を必ず入れ込んで嘘をつかないといけない、というルールをくわえました。
やってみたら、そこまで苦しくはないけど、でもちょっとドキドキするくらいの、いいかんじの負荷になりました。

テストプレイをした方から「インタビューがゲームになるの? って思ってたけど、ゲームになってた」「この手があったかー」との感想をいただきました。

米光さんは、道場が終わったあとも、ゲームマーケットへの出展をアシストしてくれました。
スペースを取ってくれて、
さらには、おすすめの印刷会社や、手作りのときに便利な道具も紹介してくれて。
もーいたれりつくせりです。
初心者でも、示してくれた道筋を一歩一歩進むだけでゲームマーケットでゲームが出せるという。

私は、ゲームマーケットで、ここ2年ほど売り子としてお手伝いしていました。
作り手は楽しそうだなー、でも自分がゲームを作るのは無理だろうなーと思っていたので、とうとう、作品を頒布できて、すごくうれしいです! わーい。
(って、印刷物届くの明日で、それから手作業なんですけどねー)

500円で売りたいあまり、手作業でカードを切ることにしました。
作る数に限界がありますので、確実に手に入れたい方は、ご予約をぜひー。

【予約受付】
「INTERVIEW」は取り置き予約をメールで受け付けています(15時までに引き取りにきてください)。
inunya.wanwan☆gmail.com
の、☆を@に変えて、件名「INTERVIEW取り置き予約」で送ってください。
確認しましたら、返信のメールを送ります。
24時間たっても返事がない場合は、再度送ってください。