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Keepdryです。
高速二丁銃バトルカードゲーム『ガンナガン』2020秋、頒布!
ロボットアニメをフィーチャーした『コア・コネクション』シリーズも、「絶海のアトランティス」編が新規要素を加えてリニューアルです!

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【1日目G097/Keepdry】神機共鳴コア・コネクション【カードの名前】
2017/11/29 12:00
ブログ

こんにちは、アナログゲーム創作サークルKeepdryです。

ロボットアニメのイメージをフィーチャーしたデッキ構築型カードゲーム【神機共鳴コア・コネクション】シリーズ。
ゲームマーケットにて頒布する新基本セット【暗躍のナブラ】の紹介記事です。

■新基本セット【暗躍のナブラ】


[ストーリー]
アトランティスとの激闘から2年。日々の平穏を取り戻した少女たちに、今度は秘密結社「ナブラの心臓」の魔の手が迫る。
強大な”闇”をまえに、アカリたちの戦いがふたたび幕を上げる。

[ゲーム紹介]
基本セット【絶海のアトランティス】のゲームシステム「少女×ロボット×デッキ構築」に改良を加え、新基本セット【暗躍のナブラ】として一新。
91種211枚という今までにない最大ボリュームでお届けします。
全てが新しくなった【神機共鳴コア・コネクションシリーズ】の新基本セットを、どうぞお楽しみください。

 

[カード名について]

こんばんは!当記事をご覧いただきありがとうございます!

今日は、【神機共鳴コア・コネクションシリーズ】が出来るまでの過程について、少し振り返りたいと思います。具体的には、【カードの名前】についての話です。

 

[カードを名づけるということ]

カードゲームを制作する人間ならば誰でも、それらに登場するカードの名づけに思い悩んだことがあるでしょう。

こういった名前は、ゲームの雰囲気やロールプレイに影響を及ぼすだけでなく、プレイヤーにそれらの役割(カードであればテキストを)を分かりやすく伝えるのに一役買う、ゲーム体験を大きく左右するとっても重要な要素です。

【神機共鳴コア・コネクション】のような、ゲームプレイと同時に世界観やキャラクターを楽しむゲームならば、なおさらです!

しかし問題となるのが、ではそのようなゲームを面白くする上でこの上なく大切な役割を担うカード名を、どうやってつけるかということです。

カードの役割も踏まえてしっかりとデザインを反映する名前にしなければなりませんが、かといって一枚一枚に何時間もかけるわけにもいきません。

ではどうしろと?

 

筆者には一つ、持論があります。それは、

「そのカードをデザインした当人が仮でつけた名前が大抵の場合もっとも良い」

というものです。

 

当たり前といえば当たり前ですが、カードを提案したプレイヤーはそのカードの役割やフレーバーをもっともよく理解しています。

説明が苦手な人でも、頭の中でどういうカードなのかがイメージできています。

その効果が、どういった行動を現している効果なのか、良くわかっているのです。何せ作ったのですから。

よって、本人にとってはなんとなくつけた仮名でも、実はカードを的確に表す名称であることが非常に多いのです!

 

というわけで、カード名を決める際はデザインした人の仮名をそのまま使いましょう。

ブログを読んでいただきありがとうございます。また次の記事を御楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

…と言いたいところですが、実際にはしっかりと吟味しましょう。

仮名がぴったりくる、というのは事実筆者の持論ですが、その「ちょうど良さ」が思わぬミスを招く可能性もあるのです。

本記事では、そのような過程で名づけを「やらかしかけた」例を紹介したいと思います。

 

 

[ドレイン・グローブ]



先ずは私を含め多くのプレイヤーがゲーム序盤でお世話になっているだろうアタッチメント、ドレイン・グローブについて。

近接値に1点の修正を与え、モンスターを撃破したターン終了時にカードをドローさせるシンプルなカード。

名前も非常に分かりやすいですね。

しかし、実は「ドレイン・グローブ」というのは後からつけた名前で、採用寸前まで行った名前がありました。

その名も、

ヴァーレンキ

デザイナーが最初に付けた仮名です。

制作陣一同、初めて聞いた時は大変しっくりきました。理由は二つ。

まず、単純に響きがカッコイイ。本物のロボットアニメで聞きそうな名前です。

そして、次が「ヴァーレンキ」がロシアの伝統的な靴を指す名詞であったこと。デザイナーとしては、「ヴァーレンキ」はラーシャを意識して作った攻撃的なアタッチメントという事でした。

 

かっこいい上に由緒正しいとあっては、仮名であってもだれも文句は言いませんでした。

デザインした当人が、「ヴァーレンキ」を画像検索してしまうまでは。



良く考えれば分かることでした。ヴァーレンキというのは極寒の地ロシア、その靴となると大きくて、もこもこな、可愛い長靴だろうと。

とても近接値が上がるようには思えない。そもそも「ロボットの装備品」からこの上なく遠いものでした。

勿論名前だけ借りるという手もあったが、ふわふわな靴を履いてロボットに挑む大量の量産機が脳裏に焼き付いてしまった我々は、新しい名前を素直に考える事にしたのでした。

 

[伝説のアタッチメント]

澄んでのところで無知をさらけ出すことを回避した私達でしたが、実は名づけにおいてよほどまずいことが起きる一歩手前にも陥りました。

しかも今度は1枚のカードではありません。6枚のカード…伝説のアタッチメントに関してでした。



伝説のアタッチメントの名前は、カードの中でも一際決めるのが難しいものです。

特別さを感じさせる事は重要ですが、覚えられないような難しい名前も避けなければなりません。

なので、基本的には他のカードよりも後に名前が決まります。しかし、やはりテストプレイの際にはやはり何かしら名前がないと扱いづらいので、我々は以下のような仮名を付けていました。

トツカノツルギ:重力の斧

COMET STAR:破邪の大剣

支援ユニットアウクシリア:閃光の双剣

太陰玄武:蝶の短剣

ヘテペトの杖:静寂の杖

グンロギ:流星の弓

 

筆者の年齢がバレそうですが、某TCGにおける同様の「伝説の装備品」をもじったものです。分からなければ検索してみてください。「あっ」となります。

その某TCGを長らくプレイしていたメンバーが多い我らのチームのテストプレイにおいては、「伝説のアタッチメントの仮名」という役割を見事に全うしました。

けれども、我々は見落としていたことがありました。

伝説のアタッチメントの名前など、物語に携わる部分を制作する担当の者は、某TCGを遊んだことがない人だったのです。

そんな彼が、上述の名前を見て思ったことは(本人談)、

 

「良いじゃん」

 

上がってきたリストに、遊〇王のパクリカードが6枚記載されていた時は、コアコネを作っていてもっとも焦った瞬間ベスト3に入ります。

 

 

[おわり]

カードの名前を付けるのは大変です。

最初に付けた仮名がしっくりくるから、そのまま採用したくなる気持ちは分かります。そこに関して、持論は変わりません…変に考えるよりそうしたほうが良いということはザラにあるでしょう。

しかし、もし同様にカードゲームを作り、同様に名前で苦労するようなひとがいたならば、仮名を採用する前にもう1度、しっかり確認する事をお勧めします。

一生懸命デザインしたロボットが、ふわふわの長靴を履いて出陣していないことを。