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2018年02月09日(金) 01:08 367 views

鹿威し-シシオドシ-

▼概要

『鹿威し-シシオドシ-』は、ボード中心の湧き水から自分の鹿威しに竹筒をつなぎ、「湧き水カード」により水を引き入れるゲームです。他のプレイヤーの鹿威しにつながる竹筒を破壊したり、自分の鹿威しに引き込むように竹筒を回転することで一発逆転のチャンスも。

▼プレイ

人はなぜ何かが管を流れるさまに惹かれるのでしょうか…。『鹿威し-シシオドシ-』は、そんな人類共通(?)の琴線に触れる魅力を和テイストでゲーム化したものです。

簡単にルールを説明します。

ボードの中心に湧き水があり、4名(推奨)のプレイヤーは東西南北に分かれます。自身の色(北ならば赤)の鹿威しに、湧き水から「竹筒チップ」をつないでいき、つながったところで湧き水カードにより特定の方向に水を流せば、自分の鹿威しに水を引き入れ、得点とすることができます。勝利条件は10点先取することで、ボード上に3つある鹿威しは湧き水から遠くなるほど得点が高くなり(最高3点)、また水を引き込む経路上に「x2」や「x3」の竹筒チップを使えば、得点がそれぞれ2倍、3倍となります。

さらに、既に置かれた竹筒チップは、「回転チップ」により任意の方向に回転することができ、「破壊チップ」により取り除くこともできます。また、得点は鹿威しが動作する音にちなんで「Kon!チップ」で表現されているのが小気味いいですね。その他のルールは、各プレイヤーは常に使用できるチップを5枚持つとか、1ターンのアクション数(手数)は「3面に1、2面に2、1面に3」がある特殊なサイコロで決めるなどとなっていますが、詳細は省略します。いかがでしょうか?ここまでの説明だけでも十分に魅力を感じませんか?

以下、同僚と3人でプレイした時のハイライトをご紹介します。着座は、僕が東(青)で、2人の同僚は南(黄色)と西(紫色)です。

上に示したのは、南側の同僚が自分の得点2の鹿威し(黄色)に竹筒をつないだ直後、西側の同僚が回転チップを使って自分の得点1の鹿威し(紫色)に水の経路を変更してしまったところです。これぞまさに我田引水です。

つづけて、上図は、僕の得点2の鹿威し(青)につながる貴重なx2竹筒チップを南側の同僚に破壊されたシーン(泣)。

(上図)腹いせに得点3の鹿威し(紫色)につながるx3竹筒チップを破壊してやったシーンです。まあ、腹いせというか、これは1度に9点も入るので破壊できなければ非常に危なかったわけですけど。

(上図)西側の同僚も負けじと、湧き水に隣接する竹筒チップの向きを変えるという形勢大逆転を図ったシーン。ところが、彼がつづけて引いた湧き水カードは「不発」。この時は大きな笑いがおきました。この不発カードの不発感、たまらないですね!

(上図)最終的には、僕が湧き水カードを引いて北と東の方向に放水し、3点ゲットして計12点で勝利しました。

いかがでしょうか。「自分のところにいかに水を引き入れるか」という目的は明確ですし、形勢がコロコロと変わるので退屈せずに進められるダイナミックなゲームだと思います。

最後に、冒頭の疑問「人はなぜ何かが管を流れるさまに惹かれるのか」について考えたいと思います。まあ、もはや蛇足ですし、そもそも万人に共通するのかも憶測でしかありませんが、このゲームの場合は、2つの側面があると思っています。1つには、動きを追ってしまうという狩猟本能に基づいている側面。つまり、「動くヤツは、獲物だ!」と意識せずにはいられないという訳です。この側面を活用した作品例は多く、ピタゴラスイッチ、スペースワープ、マーブルマシンが挙げられます。もちろん、このボードゲームでは本当に何かが流れている訳ではありませんが、竹筒が時に枝分かれしたりして、そこに確かな、追いたくなるような複雑な動きを容易に読み取ることができます。

もう1つの側面は、水を自分の領地に引き入れるということが死活問題であった農耕民族の本能ではないでしょうか。もちろん、狩猟民族だった時代に比べると歴史は浅く、だからこそ「農耕本能」なんて言葉もないのですが、古代ローマ時代・紀元前19年頃に架けられたとされる南仏の巨大な水道橋「ポン・デュ・ガール」や日本各地にある円筒分水などを見ると、導水や水の分配は農耕民族時代の政治の最重要課題だったのではないかと想像しています。僕はアナログな知恵の結晶である円筒分水が大好きなのですが、このボードゲームの湧き水も、四方に水が出るところなどは円筒分水を想像させてたまりませんね。なお、後者の側面はうちの妻には「歴史も浅いし、違うと思う」とあっさり否定されてしまいました。

鹿威し-シシオドシ-



レポーター
自己紹介
はじめまして。ドラクエでいう「賢者」に転職できなかった「遊び人」のおっさんです。趣味は広く浅く勉強すること。最近はゲームづくりにも関わっているため、なんでもゲーム化したくなります。残りの半生も命を削って遊びたいです。
twitter: @kawanky
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