大塚健吾

『サラウアバク』 『シノミリア』 『理想の納豆』 『行けたら行くよ!』 『ギリギリカレー』 を作りました。

ニセ漫画家大塚健吾のインタビュー全文公開
2018/5/24 22:21
ブログ

こんばんは。
ゲームマーケットからもう20日ですか。
早いものです。ありがとうございました!

ゲムマいろいろありました。
ブースを手伝ってくれた友人3人が僕に内緒でみんな『ブックメイカーズ』のキャラのコスプレしてくるし!
なんで内緒だったんですかね!
人生で初めてでしたよ!「コスプレしてなくて恥ずかしい!」って思ったの。

しかもゲムマ終わった後、コスプレした友人の中でも女子の写真がtwitter上がってて。
70いいね!とかすげぇついてて!
なんかむしろ僕が嫉妬するという事態になりました!

ただ、そんな僕を友人達は慰めてくれました。
「大塚さんは漫画家大塚健吾のコスプレをしてるじゃないですか」
なんというフォローでしょう!素晴らしいですね!

あ、えっと、ご存じない方に説明すると
ボードゲーム『ブックメイカーズ』は
架空の少年漫画雑誌『少年ボードゲーム』にて好評連載中の漫画という設定で
その原作者の名前がまんま僕の本名の大塚健吾という設定です。

で、ですね。今回は……
コスプレした美女がゲムマで120冊売り上げた
『ブックメイカーズ』のファンブック&攻略本
『ブックオブブックメイカーズ』(絶版)に寄稿しました大塚先生のインタビューを全文公開しようと思います。
風邪で意識朦朧としながらがんばって書いたので読んでいただけたら嬉しいです。




――本日はファンブックの発売にさきがけて『ブックメイカーズ』原作者の大塚先生にお話をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします!

(大塚先生 以下大)よろしくお願いいたします。

――最終章に突入しファンブックの刊行。今の思いを聞かせてください。

大)支えてくださる読者の皆さんのおかげですね。この作品は読者の皆さんの声がなければ成り立ちませんから。

――なるほど。先生の読者を思う気持ちには感嘆させられますね。
先生はどの様なきっかけで漫画家になられたのですか?

大)小学校の頃かな。ある友達のおかげなんだよね。

――お友達ですか?

大)名前は伏せるけどある人気漫画のトーナメント編を巡ってクラスの男子が大喧嘩になった事があったんだ。
「このキャラとこのキャラの試合は絶対こっちが勝つよ!」
「コイツは実はアイツが乗り移ってるんだよ!」
「主人公は今まで2回も準優勝だったし、今回もそうだよ!」
口々に展開を予想をし合って、誰が正しいか毎週ジャンプが出るまで喧々諤々で。
そんな中、僕と親友の予想だけが全ての展開をピタリと当てて。まさにヒーローだったよ。
今思い出してみると、他の子達が「このキャラとこのキャラどちらが強いか?」を考えていたけど、僕らだけが「どうなったら面白くなるか?」を考えていたんだ。

――素晴らしい!その頃から既に漫画原作者であったんですね!

大)そういう事だね。それがきっかけで物語作りの面白さに目覚めたと言ったところかな。

――それでは大塚先生の物語作りについてお教えください。一番のこだわりはなんでしょうか?

大)読者の期待を裏切らないって事かな。自分の漫画の原体験が展開が予想通りに進んだ快感があって、それは言い換えれば作者が読者である僕の期待に応えてくれたっていう事なんだよね。だからこそ、自分の漫画でもそうした快感元素を忘れてはいけないなって思ってるんだ。

――あ、それで大塚先生の作品はベタなんですね?

大)ん?

――いえ、王道?…そう、王道の展開ですよね!

大)ああ。王道ね。そう言ってもらえるのは嬉しいけれど少し不本意かな。
僕には王道を描いているつもりはないんだ。それにそもそも漫画に王道はないからね。
そのときに流行ってる物やその時代の読者が求める物でしかないんだよ。

――あれ?先生は読者の期待に応えられる様に描かれてるんですよね?

大)そうだね。

――つまり、今の時代の読者の求める物を描いてるんですよね?ということは王道を描かれてるんですよね?

大)ああ。いや、まぁ。そう言われれば、まぁ、そうだけど。

――そうした読者の好みは流動的な物だと思いますが、やはり様々な所にアンテナを張ってらっしゃるんですか?

大)それが、意外かもしれないけど、実はテレビも映画もほとんど観ないんだよね。
「他の作家さんの影響を受けたくない」という気持ちが強くて。

――そうなんですか!?それではどの様にして読者の求めてる物を掴むのでしょうか?

大)漫画家に大事なのは分析力だと思っていて、話題作と謳われている作品が「なぜ今、人気なのか」を分析するんです。そして、その疑問に対して自分なりに結論を出す。そうすることで、今の流行などを把握しているんです。

――え、テレビも映画も観ないんですよね。え、話題作は見てるんですか?

大)いや、まぁ、見てますよ!見てますけど!こう、自分から!映画やテレビを探すタイプではないとそういう事が言いたくてですね。

――なるほど、いますよね。ヒット作だけ選んで見るベタなタイプの人。
あ、ベタなタイプで思い出したんですけど『ブックメイカーズ』本編についてもお聞かせください。

大)……まぁ、はい。なんでしょうか?

――『ブックメイカーズ』ちょっと人気が信じられないですよね!

大)はい?

――ああ、いえ、信じられない程の人気ですよね!

大)ん、ああ、ありがとうございます。

――一部では“読んでなくても大体ストーリーがわかる”なんて声もありますが、ストーリ-作りの悩み等はありますか?

大)漫画家はストーリーを作ってはいけないのさ。漫画はキャラだからね。キャラクターは作者の分身というべき存在で、魅力的なキャラクターを考えられれば後は彼らが勝手に動き出すのさ。

――また、どこかで聞いた事のある様な事をおっしゃいますね……。
キャラクターがベタだから展開もベタという事ですか?

大)あ~、少しネタバレになってしまうけど、それはあえてわざとそうしているところがあるんだ。

――ほう!“わざと”ですか?

大)最新巻でも書いた様に『ブックメイカーズ』は最終章のトーナメントを描く為に初めたんだ。
そして、そのトーナメントは意外性のある展開にしたいと決めていて、今まではある種ありきたりな展開があったからこそ、今回は読者のみんなを驚かせられると思うよ。

――ん?待てよ!先生が最初におっしゃっていた“読者の期待に応える”という物語作りの秘訣とは矛盾しませんか?

大)ん、うん、いや、だから!今回はあえて!そうしたタブーにも、挑戦していきたいなって思ってるんだよ。あれだよ、主人公のユーショウが一回戦負けして、間違ってエントリーされたグルトンが優勝するかもしれないからね!

――そんな事になってしまうんですか!?

大)はっはっは!まぁまぁ例えばの話だよ。読者がそうした展開を求めているなら『ブックメイカーズ』の優勝者(ラスト)はそうなるかもしれないね。

――その様な漫画の展開に関する質問なのですが、編集部に大塚先生宛に「このキャラを勝たせて欲しい」という読者アンケートが大量に届きますが、先生はそうした読者の声をどの程度参考にされるんですか?

大)大体7割ってところかな。そうした読者の声のおかげで当初作者の僕が想定してなかった展開にもなって、まぁ、それが連載漫画ならではの面白さだよね。

――んん!?つまり、大塚先生の意思3割なんですか!?

大)まぁまぁ、中には熱狂的な読者もいてね、“すきすきすきすき”とだけ書かれた物や丁寧な作品批判なんかもくるのさ。それらを無視する訳にはいかないだろ?

――でも、それじゃあ、大塚先生が描きたかった展開とは異なるわけですよね?

大)そりゃあ、僕だって主人公を一回戦負けとかにはしたくないさ!
けど、仕方ないんだよ!アンケート至上主義ってのはそういうものなんだよ!!

――あの、プライドとかはないのでしょうか?

大)うっせぇ!!!!
や……っ、ホントはさぁ、ボ……僕だって、いっぱい、いっぱい考えてたんだよ!
ユーショウが準決勝でムハイと再会して、決勝でクロマクと……とか考えてたんだよ!

――うわぁ、ちょっと、泣き出さないでくださいよ

大)それが、……それがさぁ、編集部のからの企画で、読者にトーナメント表から決めてもらおうってなって!どうすんだよ!?グルトン優勝しちゃったらどうすんだよ!!試合順から決められてどうストーリー描けって言うんだよ!!
文句があんならお前が書いてみろよ!!

――いや、それは作家として一番言ってはいけない事ですよね?

大)関係ないね!!
もういいんだよ!!基本は読者アンケート通り展開させときゃそのファンが喜ぶんだよ!!

――なるほど。先生の読者を思う気持ちには感嘆させられますね。
そんな大塚先生でした。ありがとうございました!!

大)うっせぇ!!!!




はい。という訳で。
以上が(絶版)『ブックオブブックメイカーズ』に収録されている
漫画家大塚健吾先生のインタビューでした。

みんながゲーム中読者アンケートを送る際、
大塚先生はこんな風に悩んでいること時々思い出してあげてください。

と、実はですね。あの本にはもう1個インタビューが収録されてまして、
それが“ガチ大塚健吾インタビュー”

コレに関してはもうホント言い訳をさせてください!!

詳細は恥ずかしいので書きませんが、
要約するとこんな感じです。




既存のボードゲームだけから着想を得てもオリジナリィティの作品は生まれないのさ!
それよりも自分だけの体験から、そして体験の面白さをゲームで表現できれば
オリジナリィのあるゲームが作れるのさ!!




……えーと、ですね。僕は一体何を偉そうな事をという感じですが、
コレはもう完全にあれです!!
美人編集長にインタビューされて舞い上がってました。

や、いいじゃないですか!ちょっとカッコつけたいなって思ったんですよ!

はい。えっと、はい。そんな感じです。

そんなインタビューと実はめっちゃ真面目な『ブックメイカーズ』攻略法が載っている本
『ブックオブブックメイカーズ』(絶版)ですが、
なんと!!
編集長のtwitterにDMを送ると、ご機嫌次第で通販で買えます。

価格等は僕は知りませんがいい感じにご提示ください。

編集長のtwitterアカウント

ゲムマのブックメイカーズ攻略本ページ

そんな感じです。

今回のゲムマは通算9回目の出展なのかな?
史上最も楽チンでした。

本当にいろんな方が助けてくれて。
「いや、僕普通にすげぇ嫌なヤツだよ?」
と思いました。というか言いました。

皆さん!ありがとうございました!!