按理具庵

「あんりぐあん」 と読みます。駆け出しの発明家が勢いで一人起業してしまった会社です。
陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)をトランプの再発明として創作し、Amazonやイエローサブマリン等にて販売中です。
しなり折りカード立てが第一発明品で、これを応用した紙製ミープルやチェス・将棋駒に展開中です。

交錯干渉将棋ミニ
2019/2/15 17:24
ブログ

交錯干渉将棋をより実践的に楽しめるようにミニ版を作りました。新たに独自ルールを追加しているので従来の15x15版の単なる縮小版ではありません。
交錯干渉将棋とダブルス将棋←こちらが15x15版(大盤)です。



既存の将棋盤(9x9マス)を使えるように、使用する駒を大幅に削減して縮小しました。どの駒を削るかとすれば、まずは桂馬と香車に消えてもらうしかありません。この2つは打ち駒としては役立ちますが、どちらかというと守備的で機動力が乏しくて、あまり使い勝手が良くありません。また盤面が狭くなるので長距離移動の飛車と角行も不要と割り切って、金将・銀将が各2枚と歩5枚と玉将の構成(Type S)を考えました。
しかし駒の種類が少なくなり過ぎて、これは全く将棋らしくありません。金将は縦横1マス+斜め前1マスに動け、縦横どこまでも進む飛車と動きが似ています。同じく銀将は斜め1マス+前方1マスに動けるので、斜めにどこまでも進む角行と似ています。飛車を金将の強化型、角行を銀将の強化型と考えることで、片側の金将と銀将をそれぞれ飛車と角行に置き換える非対称な配置(Type A)を思いつくことができました。
公式ルールとしては、Type Sを練習用として、Type Aを5x9版の標準としておきます。



左右向きの駒を障害物と考えて1つ飛び越えられる動きが交錯干渉将棋の基本ルールです。
5x9マスでは縦横比が2倍に近く細長いので、角行の動きが著しく制限されます。このため他の変則将棋にある反射移動を取り入れることにしました。ただし長辺側だけ有効という違いがあります。そして長辺側だけなら短辺側にも何かあると面白いのではと考えが進み、移動不能なマスが約半分もあるという角行の根元的な弱点を克服するために、特殊な筋替え移動ルールを創作しました。発想の元は、特殊な条件において特殊な動きを許可するチェスのキャスリングにあります。



交錯干渉将棋でなくても、この非対称の初期配置と角行の特殊移動ルールを採用した5x9マス(5x7や5x8も可?)のミニ将棋も案外と面白いかもしれません。

以前の交錯干渉チェスや交錯干渉将棋で曖昧なままであった全方位乱戦のルールも整備しました。



全方位乱戦では陣の概念を無くすために、駒を打てる場所を玉将の周りに制限することにしました。
対消滅のルールは全くの新規です。全体的に各駒の移動量が増えるので盤面が窮屈に感じられることと、守備側が優位となって補給と消耗を繰り返すのを避けるのが目的です。



実は5x9のミニ版を創作している間に、交錯干渉する共通領域を9x9の全面にすることを閃いてしまいました。そのまま進めて5x9と9x9を2本立てするか、9x9だけに絞るかを悩みましたが、どちらにも個々の面白さがあると考え、その盤面の特性に合わせたルール構成で別物とすることにしました。
9x9版の飛車・角行の配置が絶妙です。(これしかないとも言えますが...)



二人制交錯干渉将棋のイメージ図です。二人零和有限確定完全情報ゲームとして、盤面がコンパクトな割に最も難しい部類になるのではないでしょうか。



印刷用PDFを添付します。交錯干渉将棋5x9版
cotjc59_v100
交錯干渉将棋9x9版
cotjc99_v100
ちなみにファイル名のCOTJCは、Cross Over Tangle Japanese Chess(仮)の省略です。Tangle Shogi(もつれ将棋)も英語名の候補です。