ジブセイルゲームス

ジブセイルゲームズはウォーゲームを扱う同人レーベルです。「椅子多め」の試遊卓併設ブースでお待ちしています。【2020秋ラインアップ】【新作】「Operations Research for COVID-19~図上演習 新型コロナウイルス~」感染対策本部幹事として「感染による死」「経済による死」の最小化を目指すソロ用Operations Research! 【2020春ラインアップ】「遠すぎた東大─神田解放区闘争-」東大安田講堂事件が起きたその日、神田地区を不法占拠し東大本郷キャンパスを目指して進撃する過激派とそれを阻止して神田解放区の奪還を目指す機動隊との戦いを机上に再現するボードウォーゲーム!

ボードウォーゲームは「歴史を再現するギミック」(by 近藤友樹氏)が命
2017/4/4 19:33
ブログ

大抵の場合、ウォーゲームには「元ネタ」があります。ウォーゲームというぐらいですから「第二次世界大戦」から「太平洋戦争」「ミッドウェー海戦」「関ヶ原の戦い」などなど実際にあった歴史上の戦争を扱ったものが多いですが、同じ戦いでも「Starship Troopers」「機動戦士ガンダム」「宇宙戦艦ヤマト」「装甲騎兵ボトムズ」「ガールズ&パンツァー」といった実際には起きていないSF作品やアニメを元ネタにしたものも主要なカテゴリーとして確立しています。

実際にあった戦いにしても実際には起きていないフィクションにしても、ボードウォーゲームでは、「元ネタの世界にある因果関係の表現」を大事にしています。「信長最大の危機」に「大東亜戦争」、そして、最近では「幕末京都擾乱」とヒット作を立て続けには発表しているボードウォーゲームデザイナー近藤友樹氏の言葉を借りれば「歴史を再現するギミック」こそがボードウォーゲームに特有の面白さといえるでしょう。

ボードウォーゲームを「シミュレーションゲーム」と呼ぶゲーマーも多くいます。そのため、「ユニットを現実と同じく精微に再現すれば元ネタも正確に再現できる」というイメージを持ちがちですが、実際のゲームデザインでは元ネタで起きた膨大な事象から元ネタをそれらしく再現するために必要な要素を取捨選択してゲームに反映しています(これは人間の力だけで行うボードウォーゲームに限らず、膨大な演算能力を駆使できるデジタルゲームのデザインでも同じです)。

この取捨選択においてゲームデザイナーは元ネタに対する自分の解釈と評価(戦いの勝敗を決めた重要な要因やハードウェアスペックだけでなく運用といったソフトウェアも含めた兵器の評価などなど)に基づいて影響が大きい要素を選んでルールに組み込んでいきます。ここにゲームデザイナーや製品ごとの個性が生まれ、元ネタが同じなのに異なるボードウォーゲームが幾つも登場する1つの理由となるのです(バルジ作戦を元ネタにした製品の多いこと多いこと)。

ゲームはプレイそのものが面白いのは当然ですが、ボードウォーゲームはルールブックを読んでいるだけでも「このルールは元ネタにあった“あんなこと”を“こんな方法”で再現しているのか!」と楽しむことができるのです。

ゲームマーケット2017春では、一人でも多くの人がボードウォーゲームを手にとって、ルールブックを読むだけでも興味深いこの世界に足を踏み外しますように。