くらげシステム&80GAMES

くらげシステムの中の人2号ことヤブロンです。アイドルマスター、ヒプノシスマイク、スティーブジャクソン(米)、ジンギスカンが好きです。

ダイスガールズ誕生までのお話(ツイッター加筆修正)
2018/10/19 15:24
ブログ

「ダイスガールズ」はいくつかの条件を満たすため産まれたゲームです。

その条件とは
1)生産、頒布コストが安い。
2)ルールの説明が短い。
3)アイマスファンに理解しやすい。
4)拡張性がある。
の4点です。

1)生産、頒布コストが安い。
これはサークル活動を無理なく続けるための条件でした。くらげシステムの初期の作品は、カード100枚のキャラメル箱という内容でしたが、製作コストは30万円前後、頒布価格は二千円でした。成功すれば良いのですが、失敗した時のダメージはかなり大きいモノでした(遠い目)。失敗すると金銭的損失の他、大量の在庫という問題が発生します。
当時は一人暮らしだったことも有り、大きめ段ボールの2つや3つは平気でしたが、これが増えていくとどうなるかという恐怖は漠然とありました。
なので、それ以降の作品は「54枚のキャラメル箱」->「18枚のOPP袋」にサイズ&プライスダウンしていきました。

2)ルールの説明が短い。
これは現場で得た経験になりますが、物色中のお客様にはとにかく足を止めてもらい、ゲームに興味を持ってもらう必要があります。具体的には1分でゲームの概要を伝え、2分で詳細まで興味を持たせるのを心がけています。ゲムマの開催時間7時間=420分は、とても短いのです!
口頭で説明をすると、他のお客様への対応ができなくなるので、クリアファイルに入れたマニュアルを複数用意し、読んでいただくという手段もとりました。
試遊台という選択肢もあるのですが、それには拘束される人員が必要なのと、カードのみ1対1対戦というの寂しい絵面、コンポーネントという事もあり行いませんでした。

3)アイマスファンに理解しやすい。
今でこそボドゲファンかつアイマスファンという層は増えていますが、10年前はかなり少数派でした。
最初はコミケの「アイマス島」に参戦したものの、お客様の求めているのが「本」だったことと、「ゲーム」の価格の高さ(2000円あれば500円の本が4冊買える!)がマッチせず惨敗。2回目以降は「非電源系」で参戦しましたが、今度は「アイマス」ファンへのアピールが難しい環境となりました。
また、先にも言いましたが、アイマスファンが(当時マイナーな)ボドゲ慣れしてないために、徹底的にシンプルなルールのゲームが必要と感じました。

4)拡張性を持たせる。
これはサークル活動の維持にも繋がるのですが、毎イベントに新しいゲームシステムを開発し続けるのは、選ばれし者にしかできない芸当です。実際に私のプロフィールを見ると、所々抜けている部分がありますが、これは本業が忙しくなり手が回らなかった時期でもあります。
そこで、TCGの様に1つのシステムにどんどんキャラが追加できるスタイルを採用しました。これのおかげで新作の作成負担は大きく減りましたが、別の問題が発生しました。それは「キャラ性の再現ができない」です。
本家アイマスプロジェクトは、今もSide Mや283プロと増え続けていますが、それらのキャラや既存のキャラ達の関係性をゲームシステムで再現するのが不可能になっています。これはアイマスファン達が楽しみにしている大きな要素を削るという意味です。

そこで、せめて何か救済策はないか? プレイヤーの推しアイドルたちをプレイ中にアピールできる方法はないか?
と考え続けた結果が、数年前から口にしていた「プロデューサールール」になります。
次回は「プロデューサールール」について紹介したいと思います。

ヤブロン