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2019大阪【セリデビル】2017秋【宇宙探鉱史ダイナ】

セリデビル デザイナーズノート
2019/6/2 10:42
ブログ

 

 

競りゲームが苦手な自分が同じ様に競りゲームが苦手な人でも遊びやすい様な競りゲーム(セリデビル)を作る過程で工夫した点をまとめてみました。


最初に、自分が競りゲームを苦手と思う部分について


①競りの対象であるカード(タイル)のどれを取ればいいのか取捨選択ができない


②どのタイミングで取ればいいのかが分からない


③競りに負けた時、得られる物が少ない(ない)


上記3点はあくまで自分がプレイした数少ない競りゲームで苦手に思えた部分になります。


①競りの対象であるカード(タイル)のどれを取ればいいのか取捨選択ができない


①についての自分なりの工夫としてセリデビルでは『競り落とした悪魔カードはプレイヤーの手元にある同じ数字の魔道書カードに配置しなければ獲得できない』としました。


これによりプレイヤーは魔道書カードを確認する事でどの数字の悪魔カードを競り落とせばいいかが絞れる様になっています。


それに加え悪魔カードと魔道書カードの色が同色であれば得点にボーナスが付く様にすることで同じ数字の悪魔カードでもどれを取ればお得なのかわかりやすくしています。


また、せっかく競り落としたのに同じ数字がないから配置ができないと言う状況を防ぐためまだ悪魔カードの置かれていない魔道書カードを他の悪魔のいない魔道書カードに重ねる事で±1出来るとしました。


②どのタイミングで取ればいいのかが分からない


②に関しては悪魔カードを1枚づつ競ることで1枚ごとに価値を考えれる様にしました。


また、1巡競り(1枚の悪魔カードにつき1度だけ値段を言うかパスするか選ぶ)にする事でタイミングを指定しています。


これによりプレイヤーは決められたタイミングで悪魔カードの競りに集中出来るようにしています。


③競りに負けた時、得られる物が少ない(ない)


③に関しては悪魔カードを競り落としたプレイヤーと競りとせなかったプレイヤーどちらにもメリットとデメリットを作る事で競り落とせなかった時に思考がネガティブにならない様にしました。


具体的には競り落としたプレイヤーはメリットとして悪魔カードを獲得する事で勝利点を得ます。デメリットとしてマナチップを消費する、配置できる魔道書カードが減る、次のスタートプレイヤーになる事で連続して競り落とす事が困難になる、があります。


競り落とせなかったプレイヤーはメリットとしてマナチップを消費しない、3つのアクションから1つを選ぶ(プレイヤーのチップや魔道書を補充、または回復) ことで競り落としたプレイヤーよりも有利な状態で次の競りに臨める。デメリットは勝利点を得られない、があります。


また、競り落とせなかった時のアクションを3つにする事でプレイヤーの選択によってチップや魔道書の数に個性が出るようにしています。


以上が自分が競りゲームを苦手と思う部分について工夫した点になります。


ここからは実際作っていて悩んだ点について書いていきたいと思います。


悪魔カードの価値の設定について


セリデビルでは悪魔カードの数字がそのまま勝利点になる為数字の大きい悪魔カードは当然ながら価値の高いものになります。逆に数字の小さい悪魔カードは価値の低いものになります。このままでは数字の小さい悪魔カードの時競りが成立しない状態(全てのプレイヤーがその悪魔カードを必要としない状態)になる可能性があります。


そうならないようにするためセットコレクション(ある条件のカードを集めることでボーナスを得る)にすることで数字の低い悪魔カードに付加価値をつけることにしました。


それに加え①の時に書いた同数の魔道書カードに配置しなければならないとしてある事で魔道書カードの数字が小さい場合に競り落とすか悩む要素にもなっています。


3つのアクションのバランスについて


競りに負けたプレイヤーは3つのアクションから1つを選ぶ事ができます。マナチップの獲得か魔道書カードの獲得かマナチップの回復です。


この3つアクションはどれか1つでも強い場合選択肢として機能しなくなります。


そうならないようにする為、アクションにもメリットとデメリットを設定しデメリットを他のアクションに結びつける様にしました。


マナチップの獲得ではマナチップの上限が増えます。けれど競り落としても魔道書カードを獲得しないと配置できる魔道書が減っていきます。


魔道書カードの獲得では悪魔カードを獲得する場所が増えます。けれどマナチップの多いプレイヤーに競り負けるかも知れません。


マナチップの回復ではマナチップの獲得を選ぶ以上に消費したマナチップを回復する事が出来ます。けれどマナチップの上限も魔道書カードも増えません。


上記の様にすることで3つのアクションの強さを出来るだけ同じになる様にしています。


マナチップの得点化について


初期の時点ではチップをなんらかの形で得点化するルールはありませんでした。


そうした場合、最後の悪魔カードの時にプレイヤーは全てのチップを出すだけのゲームになってしまい最後に考えどころのないゲームにならないようにどうすればいいか考えました。


割と自分が見かけるルールに使用しなかったチップをゲーム終了時に得点化することができると言うのがありますがセリデビルでそれを採用した場合3つのアクションのバランスが崩れるため採用できませんでした。


結果、ゲーム終了時に悪魔カードの配置されていない魔道書カードに消費していないチップを置く事で得点化出来るようにしました。


これによりアクションのバランスを崩さずゲームの最後まで考える部分を作ることが出来る様になりました。


以上が実際作っていて悩んだ点になります。


他にも悩んだ点はあったのですが作品を作り終えるとなんでこの部分ってこんなルールにしたんだっけ?っと自分ことながら忘れていってしまうため思い出せる部分のみをまとめました。


最後にここまで読んで頂きありがとうございます。


セリデビルは自分の様な競りが苦手な人でも遊びやすく楽しめる様なゲームを目指して制作したため競りゲームに慣れている人には物足りなく感じる部分もあると思いますが今回の文章で少しでも興味を持って頂けたら幸いです。


セリデビルは現在、イエローサブマリン様各店と福井県のへクスインゲームズ様にて委託販売しています。


またBOOTHにて通販もしていますので良ければよろしくお願いします。


https://booth.pm/ja/items/1391469 


これから遊ぶ方、すでに遊んでくれた方、セリデビルの制作に協力してくれた全ての方に感謝しつつ次の作品の制作に励みたいと思います。


ありがとうございました。