L.A.G.Craft

Literature、Art、Game、(文学、アート、ゲーム) の制作活動をしています。

【土N36 L.A.G.Craft】ある夜の路地裏で
2019/5/24 15:18
ブログ

【Prologue】


「おう、あんたか。全く待ちくたびれちまったぜ。一応聞いておくが、ここに来るまで、誰にも尾行されなかったな?」

「…ならいい。来い、奥の部屋へ案内するぜ」



「俺がこのクソったれな街から脱出する方法を知ってるって、誰から聞いた?……まぁいい。こっちは貰うもん貰えればそれで十分さ」


「さて、あんたがどんな理由で外の世界を目指しているかなんて俺には関係ない話だ。だが、この腐りきった街、《ミダースシティ》から脱出しようってんだ、覚悟しておけよ」

「ったく、大人しくやってりゃ、この街でもちゃーんと生きていけるんだがなぁ…」



「これからあんたには、脱走の段取りってヤツを教えてやる。値千金の情報だぜ?」

「よし、まずはこのミダースシティ全体地図を見ろ。あんたのために特別に入手したブツだ」



「今俺達がいるのはこの街の最果て《ドンゾコスラム》だ。この街に巣くう魑魅魍魎たちに毟り取られたボロカスどもが最後に流れ着く墓場みたいな場所だ。」




「そしてこれから目指すのは、ミダースシティで唯一外部へと通じる場所《ロイヤルスクエア》だ。ロイヤルなんて大層な名前が付いているが、実際には煌びやかさの欠片も無い、無骨な見張り小屋が建ってるだけの広場さ。」



「普段なら街から出ようって輩はハチの巣にされちまう。住人だけじゃなく、この《ミダースシティ》自体が金の亡者だからな。外からの富はいくらでも受け入れるが、いったん中に入った養分は絶対にとり逃がそうとはしない」

「しかし、1年に1度だけ、砂漠の巨大キャラバンが立ち寄る日だけは、亡者の口も全開さ。外から運ばれてきた富をしゃぶるのに大忙しってわけだ」

「俺たちが狙うのはココだ。巨大な富の到着に街全体が浮かれている隙を突く」

「見張りだって人の子さ。それもこの街のな。キャラバンに浮かれた見張りの懐に、たっぷりカネを押しつけてやんな。それで、だいたいうまくいくってもんさ」

「そんなカネどこにあるって?おいおい、お前さん本当にこの街の住人かい?あるじゃねえかよ、ドンゾコからロイヤルまでの道のりにたっぷりとよ」



「いいか、この街はカネにきたねぇ街だ。だが、この街で何か事を成したけりゃ、必要なカネまでケチっちゃいけねぇ。それだけは覚えときな」


………

……




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今回の記事の続きはこちらで見ることができます。街でうまくやる心得のようなものが聞けるようですよ。